考えたこと2

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AO入試
AO入試は大学、高校が真面目にやればいい入試だ。
しかし、ほとんどの大学、高校で、現実は違う。
中下位の大学では、単に入学者を集めるためのイベントになっている。
高校側は推薦できない学生で、一般入試を受けたくない学生の出口として活用していることも多いと思う。

4年制大学では、文科省に推薦入試の枠は50%までと決められている。
しかし、AO入試は一般入試扱いになっているので、その枠から外れる。
だから、しんどい大学は推薦枠で半分取って、残りの半分のうちほとんどをAOで取ることになる。
最近はAO入試も併願ができるので、歩留まりを読み違えるとたくさん入ってしまう。
そうなると、一般入試の合格人数を減らさざるを得ず、結果的にやけに高い偏差値になったりする。
だから、偏差値を見るときは、受験生のうち何人がその試験を受けているかを見ないといけない。

話がそれたが、そのAO入試を増やそうとしているのが、やる予定だった入試改革。
学力成績だけでなく、学校での活動も見よう、というやつだ。
だから、冒頭にいったように高校の成績をちゃんと真面目につけて、そのうえボランティア等の課外活動もちゃんとやっていれば、高校の評価が上がり、AOを受けられるようになる、というのが本来の仕組み。

しかし、中下位の大学では推薦を受けられなかった学生で一般入試を受けても危ない学生の逃げ道になってしまっている。
高校の進路指導の先生がそういうふうに誘導するのだろう。

したがって、AOはいい入試だというのは、あくまでも関係者が真面目にやる場合の話。
現状を見ていると、とてもそうは思えない。
高校も大学も、学校法人はそんなに真面目ではないのだ。

そうなると、やっぱり主観を排して、客観テストで判断するしかないと思う。

現状ですでに私大の半数がAO、推薦で入学している。
推薦入試も、結局は青田刈りの手段であり、中下位の大学にとっては志願者を集める手段でしかない。

おまけに、プレジデントの記事によると、AOや推薦で入学した学生は、一般入試に比べて年収が70万円近く低いという調査結果が出ている。
記事によると、

「つまり、AO、推薦入学組の卒業生は実務能力が低く、社会であまり評価されていないことを暗示しています」

ということらしい。

また、メーカーの技術者1200名の調査で、基礎的な数学の学力について、AO、推薦組の評点は一般入試に対して低いという結果も出た。
基礎学力の不足は2007年にぼくが勤めていた大学で驚いたことだが、ご多分にもれず、ぼくの勤めていた大学も多くの学生をAO、推薦入試で取っていた。

もちろん、難関大のAOや推薦入学の学生はそれなりに優秀だという。
それはそれでいいのだ。

入試改革をやるのなら、まずはAO入試を一般入試から外すべきだろう。
やれることから始めよう。


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