考えたこと2

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孤独
人間、歳をとると孤独になる。
だんだんと社会とのつながりが減るし、体力的に外に出るのが億劫になるから、これは仕方がない。
そういう意味でも、仕事を長く続けるのはいいことだと思う。

しかし、否応なく歳はとるし、いつかは孤独になる。
現役時代にたくさんの人と知り合っていても、そんなものは役に立たない。
たくさんいた人も、結局は本当に知っている数人になる。
その頃、子どもの世代は一番忙しい時期だし、親にかまってなどいられない。

80歳を超えて、それまでは定期的に集まっていたりした仲間も、骨折したり、体力がなくなったりして欠けていき、思ってもみなかった孤独になる。
その時に、電話でもいいから話せるような友だちが数人いれば、だいぶマシだと思うが…。

幸い、ぼくはまだ62歳で、仕事もしているから、まだまだ問題ない。
でも、数年先はわからない。

仕事もいつまでできるか。こっちがやる気でも、断られるということもある。
病気をして、寝込むかもしれないし、そのせいで体力が落ちるかもしれない。

そういえば、右手の人差指はばね指になっているし、左手の親指も長いことギターを弾いていると痛い。
趣味のギターもそういう状態で、いつまで続けられるかわからない。

若いときには想定外のこともいろいろと起こってくる。

そのうえ、自分のことだけでなく、社会情勢も考えないといけない。
どうも昨今の世界の状況を見ていると、不安になる。
どこかの記事に、今の世界の状況は1930年代に似ていると書いてあった。
ちょうど第二次大戦の前だ。

「民主主義国家同士は戦争をしない」というが、それも疑わしくなってきた。
80年代に日本はナンバーワンと言われたが、それも坂を転がるように落ちて、今は貧しくなった。
貧すれば鈍するので、アジアでの日本の位置は難しいと思う。

そんな中で孤独になっていくというのは、シンドいことだ。

今の高齢者はその覚悟ができているんだろうか…。




| | 考えたこと | 21:48 | comments(0) | trackbacks(0) |
ネコたちをめぐる世界
ネコたちをめぐる世界 日高敏隆 小学館

実家から持って帰ってきて読んだ。
日高敏隆は有名な動物行動学者。
残念ながら2009年に亡くなっていた。
2005年に「春の数え方」というエッセイ集を読んだ。
それ以外にも何冊かは読んだと思う。

この本は日高家で飼われたネコたちを観察した記録。
と言っても、雑誌に連載されていたもので、観察記録というよりは読み物になっている。
作者はネコ派で、奥さんもネコ好き。
だから、京都の家に1匹のネコをもらってきて、自由にさせていると、どんどん増えた。
ネコのオスメスの違い、家で飼われているネコの特徴、ネコの家族の振る舞いや家出などが書かれている。

家に何匹もネコがいて、ネコ用の扉を作って出入り自由にしていると、外からオスネコが入ってきて、家のオスと縄張り争いをする。
動物は尿でマーキングをするので、大事に尿を貯めるらしい。
そして、縄張りを示すときには、特別な腺から特に臭い液が出る。
何度も家の中で騒動が起こり、家中にネコの匂いが漂って「大変だった」という。
普通の人なら、我慢できずに家の出入りをやめるだろうが、さすが動物学者だけあって、それでもネコの自由を奪わない。
これには感心した。

と同時に、こういう人が近所にいると、周りの家も大変だろうと思う。
あとがきでお詫びはしているが…。

イヌとネコはどちらも人間と仲良しだが、ネット上では圧倒的にネコが多いと思う。
なぜだかわからない。
人数的には拮抗しているはず。
でもまあ、ネコの方が人間を考えさせるのはわかる。
イヌは人間を主人だと思っているが、ネコは同類だと思っているとどこかに書いてあった。

作者は動物学者だけあって、ネコを見る目は鋭い。
どのネコがどういう性格というのも、よく見抜いている。
人間にもいろんな性格があるように、ネコにも臆病なのやあけっぴろげなのがいる。
そういうネコたちと生活するのは、大変だが面白いとも思う。

この人は有名な「ソロモンの指輪」という動物行動学者のローレンツ(ノーベル賞をとった)の本を訳している。
その経緯も書かれていて、興味深い。

ネコがどう世界を見ているのかという実験の話などもあり、ネコ観が養われる。
1989年初版だが、こういう本は古くならない。
また、この本を読んでいると、人間同士が争っているのが バカバカしく思える。

アマゾンで見たが、この本はもう絶版。
それでも中古で流通しているのがありがたい。

ネコが好きなら、読んで損はないと思う。





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