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2019.09.01 Sunday
エンジン技術者
コンチネンタルはドイツの自動車部品メーカー。
こないだ「エンジンの寿命」で書いたように、2025年をめどにエンジンの開発を終了するという意向を表明した。 5万人いる社員の半分がエンジンに関わっているが、その2万5千人を配置転換するという。 その転換先は「ソフトウェア」らしい。 シェアリングやコネクティッド、自動運転などのキーワードが言われている領域。 同社によると、現在の自動車市場は約348億円であり、このうち309兆円がハードウェア。 2030年には市場規模が688兆円になるが、ハードウェアは350兆円にとどまるという予測。 成長のキモはソフトウェアだという。 しかし、エンジンの技術者はだいたいが機械系の人たち。 モノがあっての商売だ。 機械工学や熱力学、流体力学、材料力学あたりが大事になると思う。 最近は電子制御やシミュレーションの人もいるだろうが、ごく一部。 2030年にはソフトウェア関連は約338兆円まで増えるらしい。 車載ソフトが150兆円、それ以外が188兆円。 車両に関して、現在はインターネットのクラウド上のソフトを利用するサービスは4兆円程度だが、今後10年で40倍の予想だ。 リアルタイムで道路状況をクラウドに収集するシステムと、車載ソフトウェアを無線で更新する、というのが今の課題らしい。 道路が滑りやすくなっているとか、そういう状況をクラウドに入れるのは、車載カメラや車両の速度状況とかをモニターしていればわかるのだろうが、数が数だけに大変だ。 どうやってやるのか、想像もつかない。 しかし、今40歳前後の人たちは複雑だろう。 配置転換といっても、扱うものがエンジンという形があるものから、ソフトウェアという形のないものへの転換だ。 専門の知識も学び直さないといけない。 もちろん、自動車の知識は役に立つだろうが、エンジンだけの知識となるとさほど役立たないだろう。 ちょうどCDがレコードを駆逐したようなパラダイムチェンジだ。 遅ればせながら、アナログからデジタルへの移行。 物理的な部品の点数はエンジンからモーターで大きく減少する。 この分野に関わっているメーカーは多いが、ここはほとんど無くなる分野。 機械の分野で違うものに進出するか、それとも「ソフトウェア」に転身するか…。 具体的に2025年というと、あと5年ちょっと。 これは衝撃的なニュースだろう。 多少ハッタリも入っているとは思うが…。 本当に100年に一度の大変革ということになってきたぞ。 |
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