考えたこと2

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不合理?
大学生と性格テストの話をしていた。
「思いやりがないのはよくない」VS「不合理なのはよくない」という例題。
圧倒的に「思いやりがないのはよくない」の解答が多い。

さすがに今の大学生は優しい学生が多いからかと思っていたのだが、そうではなかった。
あまりにも「思いやりがないのはよくない」が選ばれるので、何人かになぜかを聞いてみたら、「もう片方は意味がよくわからないから」ということらしい。

だいたいぼくが話をするのは20歳くらいだ。
今の20歳のうち、半分は言いすぎかもしれないが、3割から4割はひょっとしたら「不合理」という言葉を知らない可能性がある。
昔、学校法人に勤めていたとき、いったいどんな語彙がわからないのかを調べるために、語彙力テストをやった。
その結果は先生たちにフィードバックしたが、結構悲惨だった。
しかし、「不合理」がわからないとは思わなかった。

「不合理」は「合理的でないこと」と言うと、「合理的」がわからないという。
「理屈に合っていることや」と言うと、ふーん、という返事。
まあ、なんとなくわかったということになる。

しかし、「不合理」や「合理的」という言葉を知らないということは、「合理的」という概念を知らないということでもある。
それって、ぼくは結構大きな問題だと思う。

翻って、自分が「合理的」という言葉をいつ知ったのかというと、思い出せない。
誰かに教わったという記憶もない。
そう考えると、社会人になってからだったのだろうか…。

でも、大学の時にはなぜか知っていたような気がする。
多くの教員を含む大学関係者も、そう思っているだろう。
「大学生なら、不合理や合理的などの意味を知っていて当然」だと。

上位クラスの大学はそれでいいが、中位以下の大学ではそれはもはや当然ではないと思うべきだ。

でも、先生たちはなかなかそういう修正ができない。
軸足が自分の研究にある人は特に教育を軽視している。
軸足が研究にある、という人に限って、たいした業績を残していないのも事実なのだが…。

だから、中位以下の大学では学生と教員のミスマッチが起こっている。
教育の内容の話もあるが、せめて入試をやって通ってきた学生には「わかる」授業をするべきだろう。

それすらできていない学校が多い。
入試の多様化(内部進学、推薦、AO、科目の減った一般入試など)もそれに拍車をかけている。

対応ができていない大学は、なんとかしないといけない。
それをしようとしたら、大学のカリキュラムとは思えないという文科省の注意が入ったりする。

もう行き詰まっているのだ。

これこそ、不合理。

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