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2011.11.23 Wednesday
時代劇の約束
昔のテレビ時代劇を見ていると、パターンが決まっている。
毎回同じようなパターンで、見るほうが安心して見ていられる。 絶対に主役が勝つし、悪役は負ける。 主役が厳しい場面もない。 もともと、暴れん坊将軍や遠山の金さん、水戸黄門などは主役の地位が高いから、やられようがない。 それに、とても強い脇役もいる。 大団円の殺陣は象徴的だ。 最初に悪役を追い詰め、悪事をバラす。 前半は見なくても、ここから見ればだいたい分かるようになっている。 そして、悪役が反撃を開始する。 ここで殺陣が始まる。 暴れん坊将軍なら、テーマソングが流れる場面だ。 悪役が団体の時は、斬ってきって斬りまくる。 それでも、血が飛ぶわけでもないし、死体が累々と積み重なるわけでもない。 ちゃんと斬られたら、ジャマにならないように走って退場する。 殺陣というのは約束事だ。 斬る方と斬られる方の作法。 ぼくらは小さい頃からこの約束事を見てきた。 だから、何の疑問もない。 本当は返り血を浴びて、着物は血だらけになるとか、死体がジャマになって動きにくいとか、刀が切れなくなるはずだとか、そんなことは無粋なことだ。 野暮なことは言わず、そういう約束事なんだから…ということ。 しかし、ウチの息子の世代は時代劇を見ていない。 この美しい約束事が通じなくなるのも、もうすぐだ。 これをオカシイと思う時代がくるのか…。 |
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