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2011.02.04 Friday
アメリカ化
今、日本の大学はアメリカ化しようとしている。
大学院重点化もそうだし、博士をたくさん作るというのもそうだ。 カリキュラムを明確にして、育てる人物像を明確にして、どういう人を入学させるのかも明確にしないといけない。 昔の万事いい加減な教育体制では、許されない。 大学進学率がアメリカ並みに高くなったのが、その原因だろうと思う。 しかし、日本の社会はアメリカとは正反対だ。 単一民族国家で、説明しなくてもわかることが良しとされる。 いったん就職したら、あまりやめない。(この制度はほころびてきているが…) 中途採用はまだ一般的ではない。(昔よりは増えた) だから、大学がアメリカ化しても、難しい面がある。 日本の会社では途中でやめることがほぼないので、学びなおすということが少ない。 中には途中で会社をやめて、大学に戻る人もいるが、まだまだ少ない。 だから、大学院など、はやるわけがない。 アメリカのように仕事を変わることが一般的にならないと、はやらないだろう。 もともと、日本では会社に長くいれば、給料は(今のところまだ)上がる。 アメリカでは上がらない。 仕事を変わって、よりスキルの高い仕事につかないと、給料は上がらない。 だから、途中でもやめて、大学や大学院に戻る。 そして、何かを学ぶことで、新しい職場にプロモートされる。(と思う) 社会人の学びなおしということが、日本より一般的だ。 日本では学びなおしというと、60過ぎて定年してから、という感じ。 アメリカではもっと若い。 だから、根本的に社会が違う。 アメリカ化することは悪いことではないし、むしろいいことなのだが、それでもこの社会の違いを考えてもらわないと、変えていくインセンティブ(動機付け)が不足する。 教える側に真剣味が足りないのだ。 給料を上げるために、学費を払って学ぶ人がいれば、やっぱり真剣になる。 そこの差をどうやって埋めるのか。 それが問題だと思う。 |
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