考えたこと2

2023.02.09 Thursday

LCA

まだ会社勤めをしていたころ、LCAという言葉を知った。
2000年代の初頭だったはず。
欧州で気候変動やCO2など言い出していたのだと思う。

LCAとはLife Cycle Assessmentのことだ。
その製品が作られるときに、どれだけの環境負荷があったかを計算で出すということだ。

例えば、製造するときに電気を使うのだが、その電気がどうやって作られているかも問題。
火力発電で作っていれば、環境負荷は上がる。
だから、トヨタ自動車の社長が次のヤリスはフランスで作る、と言ったのだ。
フランスは原発大国で、CO2フリーの電気が得られる国だ。
本当は日本も製造業で立国していくためにはもっと原発を使わないといけないのだが、一部のマスコミや野党のおかげで、そうはならない。
いったいどうやって食っていくつもりなのか、と思う。

そういう意味で、今のバッテリーだけのEVを見るとどうなるのか。

リチウムイオン電池は資源採掘時に人体への負荷が大きいということだ。
これもHTP（human toxicity potental）という指数化されている。
HTPの値はエンジン付きのEVよりも3～5倍悪くなっている。
バッテリー製造には、エンジン製造よりも大量のCO2が出ることもわかっている。

こんなふうにLCAで評価したとき、必ずしもバッテリーのみで動くEVはエコでもグリーンでもない。
条件がたくさん付くのだ。
CO2を出さない発電で作るとか、バッテリーの環境負荷を下げるなどだ。
そうであるのに、なぜバッテリーだけで走るEVがもてはやされるのか。

さらに、インフラの問題もある。
実際にイギリスでは、「22年5月末に、EV用充電器はピーク負荷時間帯には充電できないように設定すべしとの規約を設けた」とのこと。
前にここにも書いたが、カリフォルニアでは電力不足でEVを充電するのに、ガソリンで動かす発電機を使っているというばかげた話もある。

欧州やカリフォルニアは、本気で2030年や35年に販売する車を全部EVにしようと思っているのだろうか。
あと8年、13年あるから、たしかにどうなるかはわからない。

日本の軽自動車などは、小さなバッテリーで夜間充電すれば実使用に耐えるかもしれない。
しかし、500㎞走れる大量のバッテリーを積んだ高級車に、本当に技術革新が起きるのだろうか。

少なくとも、それを人為的に規制で行うというのは間違いだろうと思う。
自由な競争の中で、それは出てくるべきだろう。
人類の進歩とはそういうものだ。

今の地球温暖化の規制は、環境という名を借りた計画経済ではないのか。
ぼくは温暖化ガスを減らすという目標は間違っているとは思わないが、それを年限を切って無理やり達成する必要はないと思っている。

統計的には地球が破滅に向かっているとは思わない。
実際にそういうデーターが示されているからだ。

今の環境原理主義者を見ていると、一部の利権に群がった人たちが騒いで、みんなを騙しているように見える。