考えたこと2 | 原子力・天然ガスは持続可能？

2022.01.07 Friday

原子力・天然ガスは持続可能？

正月早々、EUは原子力と天然ガスを、脱炭素に貢献するエネルギーに位置づけるという発表をした。
今までは再生可能エネルギー一本槍だったのに、どういうわけか。

もともと原子力は脱炭素に貢献するのはわかっていた。
ただ、CO2は出さないが、放射線の問題があるので、原子力は特例としてグリーンではない、という扱いだったのだ。
次世代の原子力発電のシステムが発表されたのも、決定に与えた影響は大きかったのかもしれない。

ただ、天然ガスまでが「グリーン」だというのには驚いた。
これまで、化石燃料を目の敵にしてきたのに。

日経新聞によると、「天然ガスは①発電1キロワット時あたりのCO2排出量が270グラム未満②CO2排出の多い石炭の代替とする③30年までに発電所の建設許可を得る――などを条件に持続可能と認める」ということだ。
ようやく現実が見えたということかもしれない。

実際、再エネは自然が頼りなので、太陽光は夜は発電できないし、風力は風が吹かなければ発電できない。
発電したときに貯めておけばよいのでは、と思う人も多いようだが、実際にはそんな技術はない。
そこにはブレイクスルーが必要だ。
だから、再エネはバックアップの発電設備が必要で、だから電気代はかなり高いのだ。
そんなことはテレビや新聞で誰も言わないが、これは本当の話。
自然任せでしょっちゅう停電してもいいなら別だが、そんな電気は誰も買わないだろう。

EUには原発メインのフランスやフィンランド、まだまだ石炭のポーランドなどいろんな国がある。
理想論はともかく、現実路線になると、各国の都合があるのだろう。
今までは理想に走りすぎたのだ。
エラそうなことを言っているドイツも、フランスの電気を輸入している。
自国で原発をなくしても、隣の国から原発由来の電気を買っているのだからいい加減なものだ。

なぜわざわざEUが、原子力と天然ガスを脱炭素に貢献するエネルギーに位置づけるかというと、そうしないとお金が集まらないような仕組みになっているからだ。
新世代の原発を開発するためには、当然費用がかかる。
そうしないと、開発競争に置いていかれる。
だから、EUでも開発したいのだろう。
それは、将来にわたって原子力を使うかもしれない、という事にもなる。

天然ガスは暫定的な措置だとしても、原発はおそらくいつまで経ってもグリーンだと思う。
CO2を出さないのだから、当然だ。

ようやく現実路線になってきたEUの先走り「脱炭素」。
それに振り回された小泉進次郎をはじめとする環境原理主義者たち。

今年は揺り戻しがあってほしい。

地球温暖化防止という美辞麗句に踊らされず、地道に技術開発をしよう。