考えたこと2

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博士を増やす?
日経に「文部科学省は研究力が高い大学について、学部の定員を縮小し、大学院への振り向けを促す方針を固めた」という記事があった。
大学院を増やすというのだが、過去の失敗はちゃんとレビューしているのだろうか。

前にも何度か書いたが、法科大学院はバカみたいにたくさんできて、その後実質的に大学院に進学しても法律の専門家になれないようなところは全部募集停止にした。
教職大学院も失敗だ。

その都度海外並みとかレベルを上げるなどと文科省が宣伝した。

実体はきっと少子化で大学が減り、天下り先が減るのが嫌なのだろう。
あまりにも動機が不純だ。

現在の大学院の進学率は理系が6割、それ以外が4割という。
理系の院生は普通に新卒で応募できる。
そういう人を企業は求めているからだ。

文系の進学率はもっと減らしてもいいと思う。
なぜなら、博士が欲しいというニーズがないからだ。
大体、大学院の教員が就職させようという意識がない。
アカデミックな職業しか考えられないからだ。
普通は大学院というと、専門職になるので、先生がそういう先を紹介しないといけないのだ。

ましてや今回は博士を強化するという。
一度、博士課程に進んだが、その学問に興味がなくなったという学生の相談に乗ったことがある。
大学院修士課程2年、博士課程3年、それからはオーバードクターになる。
博士論文も書いていない。
年齢ももう30歳近くなっている。
結局はモラトリアム。

学生もだいぶ賢くなって、ちゃんと就職先があるところ、という選び形をするようになってきたから、今回はさすがにのせられる学生は少ないとは思うが…。

ちゃんと記事の中にも、「国内では大学院修了後の就職などが困難で、進学をためらう学生が多い。高度な専門性を生かして活躍できるように、キャリア形成の支援が欠かせない。」と書いてある。

大学院でのキャリア形成は、まず第一に教員だと思う。
特に博士などは専門性が高いから、普通のキャリアコンサルタントには難しい。
それで行きたい先が決まってから、そこからならキャリアをどう考えて作っていくかなどの相談はできると思う。

海外と比べて博士号の取得者数が少ないというが、それは企業の研究所などに入ったほうがいいと思うからだ。
海外ではAIなどの実務的な研究が多いという。
それは教える側が実務的な考えを持っているからだろう。

だから、まず大学院の教員の意識を変えないといけない。
ぼくが昔勤務していた大学にも大学院があり、資格を与えていたが、就職先はほとんど非常勤だった。
親にしたら、なんで大学院まで出て非常勤と思っていただろう。
それでも、教員はそれが問題だとは思っていない。

博士になるために、論文を出版していたが、そういう助成のお金も出る。
そのために、40部とか専門的に出版してくれる出版社もある。
紙の無駄だと思う。
おそらく、PDFで充分なものが無駄にたくさん刷られている。

出版社も調子が悪いから、出してくれるのは助かるのだろう。

少子化だから、学校が減るのは当たり前だ。
大学院や博士にお金をかけるよりも、義務教育に金をかけるべきだ。
小中学校の問題はひどくなる一方で、不登校も増え続けている。
教員の質も担保できているとは言えない。

そっちの方がよほど問題だと思う。

考えたらわかるだろう。
基礎がわかっていない学生にいくらお金をかけても、優秀にはならないのだ。


| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 23:54 | comments(0) | trackbacks(0) |