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2019.09.25 Wednesday
教職大学院
教職大学院は2008年に制度化された。
設立のミッションは、2つあって、1つは実践的な指導力をもった新人教員の養成(学部新卒者対象)、もう1つは地域や学校における指導的役割を果たすスクールリーダーの養成(現職教員対象)。 現在の入学定員は2045名だが、今年は定員充足率が8割台に落ち込んだとのこと。 もともとのミッションからして無理がある。 学部卒の学生と現職の教員が対象になっていて、生徒が2種類あって、カリキュラムの設計も難しい。 これが教育学者などの制度設計なのだろうか。 案の定、2012年あたりからネットの記事等で評判が悪い。 学部卒は、教員採用試験に落ちた人が半分以上という実態。 現職教員の方は、現場のストレスに耐えられずに大学院に行く、という声もあるし、彼らが朝からゴルフに興じているという批判もある。 これでまともな教員が養成できるのだろうか。 もともと、文系の大学院というのは、目的が不明確な面がある。 〜の専門家を養成する、という題目はあるが、世の中はそんなに専門家を求めていないのがほとんど。 法科大学院もそれで失敗した。 偏差値は低いが資金力がある大学が悪乗りしてたくさん作ったが、来年度募集をする法科大学院は36校、一方募集停止した大学院は35校もある。 学校法人が馬鹿だったといえばそれまでだが、それを誘導した役所の罪は大きい。 ぼくがいつも見ている、元小学校教員の中沢良平氏がブログで面白いことを書いている。 今の教員が大変なのは、主にキャリア形成に失敗しているからだ、という。 引用すると、 「教員個人のいちばんの対策としては、「この業界に新卒で足を踏み入れない」です。新卒で教員にならなければいいのです。 教員になってしまうと、もう他業界に転職することはかなり難しくなります。逆はぜんぜんあります。ようするに、新卒で教員という職業にロックオンされてしまうと、どうにもこうにもつぶしの利かないキャリアになってしまうのです。 そこで提案ですが、教員の採用試験の受験を30歳以降にずらしたらどうでしょうか。受験資格に年齢制限もないですし。 20代はキャリア形成においてとても貴重な時期です。この時期に、正直50歳からでも新規参入できる教員という仕事にロックオンされてしまうのは、人材の浪費です。(50代で新規採用され立派に務めている先生はたくさんいます。他の業界ではこうはいかないでしょう) 一般企業かどこかで、しっかり転職できるくらいのキャリアを積んでから採用試験を受けてもいいと思います。 それで、「教職は業務量がハンパないな・・・自分に向かないな・・・」と思ったら、もとの業界に戻ればいいのです。 そうすれば、教員に向かない人が生活の糧を得るために60代まで教職にしがみつき続けるという悲劇を防ぐことができると思います。なにより子供たちのためです。」 これはいい考えだと思う。 そもそも、学校の問題の大半は、教育に携わる人たちが社会から離れて学校で閉じている、ということから生まれるのだと思う。 社会人経験を積んで、先生になれば、その問題は解決する。 子どもたちにとっても、世の中のいろんなところで過ごした人たちがロールモデルになるし、保護者に対してももっとまともな対応ができるはず。 閉鎖的な教育界を変えるいい方法だ。 今の社会人が教職大学院に行って、教員になればいい。 そういう人が半分くらいになったら、学校は変わると思う。 |
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