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2024.09.16 Monday
峠
若い頃には司馬遼太郎をいくつか読んだ。
彼の作品には、彼の思いがだいぶ入っているようだ。 それが作品を面白くしているのだが、批判する人もいる。 当然、当時はそんなことは知らずに読んだ。 「坂の上の雲」が最初で、高校3年生だった。 秋山兄弟と正岡子規が主人公。 日露戦争のバルチック艦隊の撃退の話だった。 司馬遼太郎はファンが多い。 「竜馬がゆく」など、ドラマや映画になって、役者が心酔していた。 ある意味、司馬の史観が小説を通じて日本人に伝わったのだろう。 あくまでも、小説として読めばいいのだが、実際に存在した人が出てくるので、どうしても半分ノンフィクションとして読んでしまう。 半分ならいいが、全部事実だと思う人もいる。 これが実際に起ったことならいいのだが、正しい歴史などわからない。 いろんな学説があり、その時にその人がどう思ったかなど、わかる由もない。 そこが落とし穴なんだろうと思う。 連休中に司馬作品の「峠」をやっていた。 「峠」は明治維新の時の長岡藩士、河井継之助の話だ。 大政奉還のあと、薩長の横暴に反感を持って、武士の徳川家への報恩を尽くすという物語。 大昔に読んだので、あまり覚えていないが、司馬作品は中身が濃いのでごく一部を映画化したという感じ。 まあ、コアの精神性を映画化したということか。 ちょうど日本の高度成長の時代と、司馬の作品の隆盛は同時期になる。 というか、高度成長の時流に乗って、日本人スゴイ、という意識を増長したのだと思う。 そんな事を考えたのは最近だが…。 そんなわけで、ちょっと中途半端な映画だった。 |
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