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2024.06.16 Sunday
生成AI利用
生成AIはどんどん進化している。
それを使っている企業も増えている。 マイクロソフトがオープンAIを買収して、力を入れている。 グーグルも追いかけているが、まだちょっとマイクロソフトが勝っているようだ。 それを職場でどの程度使っているか、ということをマイクロソフト社が調査した結果を発表した。 残念ながら日本は最下位。 世界平均は75%だが、日本は32%で半分以下だ。 職場で自前のAIを使っているところは増えている、ということだ。 80年代には世界のコンピューターの最先端を走っていた日本が、どうしてこんなになったのだろう。 ぼくらは、もうすぐ去りゆく人間だが、本当にどうしてこうなったかと反省する。 若い人たちにそういうレガシーを残せなかったからだ。 いろんな所で言われているが、一つの原因は企業内でITをやっている部署の地位が低いということだろう。 ぼくは学校では一応IT関係の学科だったので(勉強はしなかったが)、会社に入ったらシステム部というところに行くのかな、と思っていた。 それが実験の部署に配属されたので、システム部ではないんですか、と人事に聞いたら、システム部は理系の人が行くところではない、と言われた。 びっくりしたが、実際当時のシステム部は文系の人たちの職場だった。 その後、技術部内に別の名前のコンピューター関係の部署ができたが、ぼくのいた会社では、70年代のIT関係はそんな扱いだった。 もちろん今で言うCIO(IT担当の役員)などいなかった。 その伝統をずっと引っ張っているのだろう。 今回江崎グリコが基幹システムの変更でトラブルがあり、チルド食品17品目の受発注、出荷業務ができなくなった。 4月14日から今も続いている。 基幹システム、というのは「顧客への継続的価値創出を可能にするバリューチェーン構築と経営の迅速な意思決定を目的とした、調達・生産・物流・ファイナンスなどの情報を統合する」システム。 それを世界的に有名なSAP社のパッケージを使って、新しくしたら、そんなトラブルになったということだ。 切り替え後しばらくは手作業でやっていたが、どうしても在庫数が合わなくなって、やむなく出荷停止。 2019年末からシステム刷新のプロジェクトを始めて、2022年に完了予定だったが、2年も延期されていたという。 1970年代にぼくのいた会社と似たような状態だったから、今になってそんな状況になっているのだろう。 その証拠に、江崎グリコは年俸500万円でSAPのシステムが分かる人を募集している。 もちろん、500万では安いという批判もある。 結局は、ITを軽視して社内でITが分かる人を育てていないということだ。 きっとシステム部は文系の部署ではないか。 外部業者に丸投げしていたから、こんなことになった。 そういうことを考えると、日本が最下位というのはよく分かる。 生成AIのだいぶ手前のところで止まっているということだ。 この状態では、数年後にアジアの国々に抜かれてしまうぞ。 |
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