考えたこと2

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新しい鬼平
新しい鬼平犯科帳が始まっている。
毎週やるわけではないが、シーズン1ということで松本幸四郎が主人公鬼平に扮している。
過去にもいろんな人がやったが、ぼくにとってはまだまだ中村吉右衛門が鬼平だ。

新しい鬼平犯科帳は、ハードボイルドを意識しすぎてユーモアがない。
そのうち、キャストやスタッフが慣れてきて、そういう感じも出せるのかもしれないが、吉右衛門の鬼平とはちょっと違う。
音楽も重めのものになっていて、軽さがない。
中村吉右衛門の鬼平を意識しているのか、立派な鬼平になろうという気持ちが強すぎるのかもしれない。

鬼平犯科帳は全部読んだが、池波正太郎が描いた長谷川平蔵は、若い頃に「本所の銕」と呼ばれて遊び人だったというところが大きい。

初代の鬼平は中村吉右衛門の伯父にあたる松本白鸚、2代目は丹波哲郎、3代目が萬屋錦之介、4代目が中村吉右衛門だ。

丹波哲郎と萬屋錦之介は「遊び人」の感じがなかった。
初代はまだマシだったと思う。
でも、中村吉右衛門の鬼平がベスト。
だからこそ、ドラマが長く続いたのだと思う。

遊びが高じて、盗人の手伝いをしそうになったが、それを止めさせたのも盗人だったというエピソードもある。
そういう鬼平を感じさせたのは、やっぱり吉右衛門だ。

この時代劇の見どころは、鬼平とその配下の密偵の関係だ。
もともとは盗人だった密偵たち。
そういう暗い過去を持った密偵と、その気持がわかっている鬼平とのつながり。

鬼平の名言の一つがこれだ。

「人間というやつ、遊びながらはたらく生きものさ。善事をおこないつつ、知らぬうちに悪事をやってのける。悪事をはたらきつつ、知らず識らず善事をたのしむ。これが人間だわさ」

火付盗賊改と盗人の間には、同じものが流れている、という人間観。

これがまだ5代目には出てきていない。
5代目の松本幸四郎がこれからどう化けるか。

それが出てくると、本物だと思う。



| hdsnght1957kgkt | 考えたこと | 22:46 | comments(0) | trackbacks(0) |