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2023.02.01 Wednesday
ユニクロの年収アップ
ユニクロの年収アップの記事は結構大きな扱いだった。
そこに日本経済の問題点があるからだろう。 当たり前の話だが、優秀な人材が採れないと、企業の未来は暗い。 それをどうやって選別するかということだが、それは各企業の戦略があるのだろう。 必ずしも今までの常識が通用するとは限らない。 ユニクロの社長は「サラリーマンという仕事はもうない」と言っている。 与えられた仕事をこなすのではなく、自分の得意分野でプロフェッショナルとして働く、という働き方。 そういう従業員がほしい、ということだ。 仕事への愛着ややる気が、世界の最低レベルにある今の日本。 ネックになっているのが、年功序列、終身雇用という制度だと言われている。 それを壊していこうとしているのだろう。 なんでも、初任給が30万だという。 入社1〜2年目の新人店長の月収は29万から39万にアップする。 ただ、従来の役職手当などはなくなる。 給与体系がシンプルになって、自分の位置がよく分かるようになった。 いわゆるサラリーマン的な仕事のやり方を変え、自分の担当分野で高い専門能力を発揮しないと、グローバルな競争に勝てない。 そのためには、終身雇用と年功序列と決別しないといけない、というメッセージとも言える。 現状では年功序列、終身雇用のために、現状にとどまってサラリーマン的な仕事をするほうが圧倒的に楽、という中高年が増えている。 それが経済の大動脈である雇用を固定化して、社員のやる気をも失わせている、ということだ。 おまけに、働く期間が長くなって、60歳、65歳、70歳と上がっている。 それを雇い続けなければならない、というのは経営者にとっては大きな負担。 その給料を取っておかないといけない。 だから、給料は簡単には上げられない。 とは言っても、70年代から80年代の成功体験が、未だに残っている。 成功を収めた世代がまだトップにいるのだろう。 その人たちはなかなかその制度を変えることができない。 90年代から30年間、低成長が続いていても、変えられない。 ようやく先進的な企業は、雇用制度改革に手を付け始めた。 ソニーのAI研究者は従来の賃金制度とは別枠で高給を提示している。 そういうジョブ型雇用に移行が始まっている。 ユニクロが起爆剤となって、雇用の流動化が進むことを期待する。 それが日本の産業のネックになっているからだ。 |
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