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2021.07.10 Saturday
スーツ離れに思う
スーツの市場は1992年がピークで、その時から7割減っているらしい。
数でいうと、1350万着が400万着になっている。 減り方が急減したのが、2018年から20年。 この時に4割減ったということらしい。 うちの息子達は二人とも技術系だが、スーツなどほとんど着ない。 結婚式に行くとき用に、スーツを実家に置いてあるくらいだ。 かろうじて、入社式や新人研修の時はスーツ姿だったらしいが、配属されてからはほとんど着ていないようだ。 普通のスラックスにボタンダウンのカジュアルなスタイル、というのがそのまま当てはまる。 カバンはリュックで、勤務中にヘッドフォンを首からかけていてもいいらしい。 集中する時は聞いてもいいそうだ。 昭和の常識から言うと、本当に隔世の感。 以前勤めていた学校から、何人か洋服の青山に就職した。 青山は2021年の決算は388億の赤字。160店舗を閉めて、400人の希望退職を募り、さらに400店の売り場も縮小するという。 あの卒業生たちはどうしているのだろうか。 ネット民からはスーツ不要論が出ているらしい。 スーツを着ること自体に反対ということだ。 これは、そもそも好きでスーツを着ている人などいない、ということが前提。 今までスーツを着たことがない人たちがメインだろう。 どうしてあんな暑苦しい格好をするのか、ということだ。 でも昭和生まれのオジサンはちょっと待てと言いたくなる。 好きでスーツを着ている人もいるだろう。 みんながみんな若者と同じようにカジュアルな服装が好きなわけではない。 今までスーツを着てきた世代は、逆にスーツが慣れているのだ。 声高に「スーツは要らない」と言うのは、逆にスーツを着る自由を圧迫していることになる。 ぼくはそれほどスーツが好きでもないし、どうしても着たいとは思わない。 それでも、せっかく痩せたので、流行りの細身のスーツを着てみたいとか思う時もある。 青山などのスーツ量販店や、ファストファッションのユニクロのスーツなど、一昔前に比べたら安いものだ。 スーツを着ない自由を認めるのなら、スーツを着る自由も認めるべきだと思う。 どうしても、過去の権威主義の匂いが染み付いているので、抵抗があるかもしれないが…。 こないだ書いたLGBTの違和感もそうだが、古い考えが目の敵みたいにされる傾向がある。 実際、そういう側面があるのは事実。 あまりに声高に新しい価値観を主張されると、引いてしまう。 もちろん、面と向かっては言わない。 でも、それは結局古い価値観を再生産しているだけのような気がする。 |
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