考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< December 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
部活の犠牲者
就職指導をやっていると、いろんなことに気がつく。
定番の質問に、学生時代に頑張ったこと、というのがある。
そこで、多くの学生が中学や高校時代に頑張っていた部活を、大学では続けないことが多い、ということに気づいた。

部活の強豪校というのがある。
強豪校とはいかなくても、そこそこ強い部活、というのもある。
学校が力を入れているものだ。
ウチの近所の市立高校はスポーツに力を入れているが、そんな部活だ。
学校の前を通りかかると、ノボリが出ていて「全国大会出場」とか書いてある。

強い部活は野球やサッカー、バレー、バスケット、吹奏楽などいろいろある。
相談に来る学生は、大学で頑張ったことを聞くと、たいがいはアルバイトという。
中高では何をやっていたのかと聞くと、スポーツ系の部活が出てくる。
誰でも知っているような強豪校だったところもある。
おそらく、そういう学校ではレギュラーになれなかったり、ちょっと試合に出た程度だったのかもしれない。

吹奏楽で頑張ってたという女子もいる。
なんで大学で続けなかったのか?と聞くと、あまり要領を得ない答え。
自分でもはっきりさせられないのだろう。
人前で話せない過去になっているのだ。
せっかく頑張ったのに…、とぼくは思う。

高校時代の周りのオトナに原因があるのではないかと思う。
自分たちで一生懸命頑張って続けるのではなく、部活担当の教員や学校側に頑張らされているのだ。
もちろん、入部したときはそんなことはわからない。
3年間かけてやってきた結果、そう思うからこそ、続けるのをやめるのだろう。
もったいないと思う。
彼らはそういう部活の犠牲者なのだ。

学校にも事情がある。
少子化の今日、生徒を集めるためには知名度をあげないといけない。
そのために強化する部活を決めて、そこを強くして県大会や全国大会に行く。
語弊を恐れずに言うと、生徒たちはそれに利用されるのだ。
学校は実績のある指導者を雇い、設備を準備し、道具を揃え、強化を図る。
昨今の高校野球など、まさにそういうビジネスになっている。

そこまでいかなくても、学校側の事情でやらされてしまうのだ。
もちろん全員が止めてしまうわけではない。
中にはスター扱いされて、その道を進む人もいるとは思う。
しかし、その裏側にはスターを支える人がいる。
言い方は良くないが、部活に使い捨てされる人たちもいるのだ。
良くも悪くも、そうしないと強豪にはなれない。

部員たちは必然的に全生活をその部活に捧げることになる。
当然、勉強をする時間はない。
学校のためにやっているのだから、その状態は放置される。
結局あとで困るのは自分なのだ。

全部が全部とは言わないが、そんなふうにして、部活の犠牲者が出てくる。
「部活=善」というのは間違っている。

早くそれに気づくべきだと思う。


| | 考えたこと | 19:19 | comments(0) | trackbacks(0) |