考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< December 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
+SELECTED ENTRIES
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
おかえり寅さん
「男はつらいよ」の最新作、「おかえり寅さん」を見てきた。
第1作から50周年の50作目。
高校1年のときに近所の3本立ての映画館で見てから、46年経つ。

今もう一度やるなら、このスジになるだろう、というシナリオ。
主演の吉岡秀隆が49歳だから、ほぼリアルタイムでこの映画と育った世代。
といっても、子役で出演したのはさくらの息子、満男が小学生になってからくらい。
中学、高校、大学、就職してサラリーマンになるまで、この映画と育った。

主演女優は後藤久美子。現在45歳。
F1ドライバーのアレジと結婚して、96年に引退してフランスに行った。
今回がカムバック。
当時の満男の恋人役で帰ってきた。
実生活と同じく、ヨーロッパに行って暮らしているという設定だ。

マドンナの一人、浅丘ルリ子はリリー役のままで、暗いジャズバーの女主人役で出てきた。
もう79歳。79歳とは思えない役作りだった。
薄暗くしたのは演出の親心だったのかもしれない。

3人目のおいちゃん役の下條正巳と、おばちゃん役の三崎千恵子は仏壇の中に写真があった。
満男の両親役、倍賞千恵子が78歳、前田吟が75歳。まだまだ元気そうだった。
タコ社長は亡くなって、その娘役で何作か出た美保純がその代わりの役だった。
美保純も59歳だ。
夏木マリが後藤久美子の母親で、67歳。

柴又の近辺も都会になって、参道の風景もだいぶ変わった。
柴又駅も自動改札になっていた。
回想シーンがだいぶあるが、昔の映画の場面を使っている。

そうそう、帝釈天の住職は2代目になって、笹野高史が演じた。
源公の佐藤蛾次郎は75歳で健在。

新しい役者が、満男の娘役の桜田ひよりと、作家をやっている満男の担当編集者、池脇千鶴。
二人とも好感が持てる演技。

でも、高齢の役者のオンパレードだ。
50周年の映画だから、当時の人たちを使うと、そうなる。
それでも、俳優はだいたい10歳以上は普通の人より若い。

あの作品のあの場面が出てくる。
もちろん渥美清も出てくる。

こういう作品が作れるのも、約30年かけて作品を撮り続けたからこそ。
さらに、それを支えた人気があったということだ。
昭和の世相や景色、女優の記録でもあった。

「男はつらいよ」を見てない人でも楽しめるようにはなってはいるが、観客はほとんど高齢者だった。

もう帰ってこないことはわかっている寅さんに、会いに来たのだろう。



| | 考えたこと | 23:10 | comments(0) | trackbacks(0) |