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2019.12.19 Thursday
部活の犠牲者
就職指導をやっていると、いろんなことに気がつく。
定番の質問に、学生時代に頑張ったこと、というのがある。 そこで、多くの学生が中学や高校時代に頑張っていた部活を、大学では続けないことが多い、ということに気づいた。 部活の強豪校というのがある。 強豪校とはいかなくても、そこそこ強い部活、というのもある。 学校が力を入れているものだ。 ウチの近所の市立高校はスポーツに力を入れているが、そんな部活だ。 学校の前を通りかかると、ノボリが出ていて「全国大会出場」とか書いてある。 強い部活は野球やサッカー、バレー、バスケット、吹奏楽などいろいろある。 相談に来る学生は、大学で頑張ったことを聞くと、たいがいはアルバイトという。 中高では何をやっていたのかと聞くと、スポーツ系の部活が出てくる。 誰でも知っているような強豪校だったところもある。 おそらく、そういう学校ではレギュラーになれなかったり、ちょっと試合に出た程度だったのかもしれない。 吹奏楽で頑張ってたという女子もいる。 なんで大学で続けなかったのか?と聞くと、あまり要領を得ない答え。 自分でもはっきりさせられないのだろう。 人前で話せない過去になっているのだ。 せっかく頑張ったのに…、とぼくは思う。 高校時代の周りのオトナに原因があるのではないかと思う。 自分たちで一生懸命頑張って続けるのではなく、部活担当の教員や学校側に頑張らされているのだ。 もちろん、入部したときはそんなことはわからない。 3年間かけてやってきた結果、そう思うからこそ、続けるのをやめるのだろう。 もったいないと思う。 彼らはそういう部活の犠牲者なのだ。 学校にも事情がある。 少子化の今日、生徒を集めるためには知名度をあげないといけない。 そのために強化する部活を決めて、そこを強くして県大会や全国大会に行く。 語弊を恐れずに言うと、生徒たちはそれに利用されるのだ。 学校は実績のある指導者を雇い、設備を準備し、道具を揃え、強化を図る。 昨今の高校野球など、まさにそういうビジネスになっている。 そこまでいかなくても、学校側の事情でやらされてしまうのだ。 もちろん全員が止めてしまうわけではない。 中にはスター扱いされて、その道を進む人もいるとは思う。 しかし、その裏側にはスターを支える人がいる。 言い方は良くないが、部活に使い捨てされる人たちもいるのだ。 良くも悪くも、そうしないと強豪にはなれない。 部員たちは必然的に全生活をその部活に捧げることになる。 当然、勉強をする時間はない。 学校のためにやっているのだから、その状態は放置される。 結局あとで困るのは自分なのだ。 全部が全部とは言わないが、そんなふうにして、部活の犠牲者が出てくる。 「部活=善」というのは間違っている。 早くそれに気づくべきだと思う。 |
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