考えたこと2

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中学校の実情
国語の読み書きはすべての基礎になると思う。
教科書を読んで理解して、初めて学びが成立するからだ。
しかし、先日の報道では国立情報学研究所の調査で、中学生の読解力不足が指摘された。

読売新聞には「新聞や教科書などを読み取る基礎的な読解力を身に付けられないまま中学を卒業する生徒が25%にのぼることが、国立情報学研究所(東京都)・新井紀子教授らの研究チームの初調査で明らかになった」と書いてある。

調べてみると、国立情報学研究所では去年の12月にも、中学生に読解力のテストをやっていた。
その時の問題は以下のようなもの。

-------------
 Alexは男性にも女性にも使われる名前で、女性の名Alexandraの愛称であるが、男性の名Alexanderの愛称でもある。

 この文脈において、以下の文中の空欄にあてはまる最も適当なものを選択肢のうちから一つ選びなさい。

 Alexandraの愛称は(  )である。

  中学生の解答
(1)Alex(正答)  38%
(2)Alexander 11%
(3)男性        12%
(4)女性        39%
-------------

以前にも書いたが、問題文に答えが書いてある、というものだ。
別にひねっているわけでもないし、難しいとも思わない。
それが正答率が38%という結果。

実はこれで思い当たることがある。
計算はできるけど、文章題は苦手という大学生がたくさんいる、ということだ。
文章を読んで、未知数を決めて式を立てる、という過程ができない。

この夏に講座をやったが、その時に文章題を解くコツを教えるために、いろんなサイトを見てスライドを作った。
結局、その時には「問題の場面を頭でイメージする、問題文を心の中で声に出して読む、イメージできるまで、何度も読む、出てくる数字の意味を考える、とりあえず、意味と数字を書きだす、手を動かすと、頭も動く、イメージしたものを図にしてみる」ということで説明した。
それでも、2日目にやったことが3日目にできない学生もいた。

図をかくにしても、なかなか図にならない。
具体的には買い物の場面などだから、想像はできると思うのだが…。

大学に勤めているとき、語彙力が問題だと思い、入学後にテストをしたら悲惨な結果だった。
でも語彙が足りないだけではなかったのかもしれない。
簡単な言葉を組み合わせて文章を作っても、意味がわからない学生もいたのだろう。
そういうことなら、こないだの「国語のテキスト」の内容もわからなくもない。
契約書やルールを書いたものが、ちゃんと読めるかということだ。

記事の中には「中学卒業までの読解力が将来に影響する」という事も書いてあった。
発達障害が増えているというが、これが全部発達障害であるわけがない。
もちろん、スマホによる短文のコミュニケーションや、幼少時の家庭での読み聞かせ、読書不足、会話不足などの問題はあるんだろう。
非正規社員の増加や、社会保障費などの増加で、若い人たちの家計はどんどん苦しくなっているという問題もある。

しかし、それを救うのが公的な教育だと思う。

小中学校の義務教育をもっとちゃんとやらないといけない。
中学がブラックな職場だというが、そんなに教師が働いた結果がこれなのか。

これこそ、民主主義の危機だ。
選挙をやるのなら、「義務教育のやりなおし」も公約にしてほしい。


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