考えたこと2

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世代間格差
ちょっと前にも、キレる老人について書いたと思うが、産経新聞の記事や投稿欄でそのことが話題になった。

発端になった記事によると、65歳以上の高齢者の暴行が10年前の4倍に増え、ささいなトラブルから他人に手を出すケースが急増しているとのこと。
ひどいのは、「タバコのポイ捨てを注意された70代の男が、注意をした当時小学1年の男児の首を絞め逮捕される事件も起こっている」らしい。

この記事に対して、86歳の男性が寄稿。
自分も友達2人と駅で待ち合わせていたが、5分到着が遅れたら先にレストランに行かれて、キレてしまったという体験を書いて、自分もたぶん該当者だ、という。
続けて、その背景は、「社会で冷遇されていると感じるイライラがある」だから、「高齢者にも温かい社会であってほしい」と訴えたとのこと。

これに対しておそらく20代、30代の層から反論があった。
その内容は、自分たちはおそらくもらえない年金や退職金をもらって、医療費を使いまくりの高齢者が何を言っているか、というものだ。
若い人たちの立場に立てば、もっともな意見だと思う。

高度成長期に退職した人たちは、年金制度の恩恵を受けたが、それは日本の企業が成長していたからで、GDPが伸び、お金が儲かっていたからだ。
1960年には生産年齢人口(15歳〜64歳)11人で65歳以上の高齢者一人を支えていたが、1980年には7.4人、2000年には3.9人、2020年には2.2人で1人を支えることになるという計算。
今の大学進学率等を考えると、実際に支える側の人数はもっと減るから、若い人の負担はどんどん大きくなっていく。

少し古いが、どれだけの負担があるかという試算をしているページがある。
それによると、

「年収300万円の自営業の場合、消費税負担が約16万円、所得税・住民税が約10万円、社会保険料(年金+健康保険)が約37万円(39歳以下)です。これをすべて足すと約63万円で、総収入(300万円)に対する負担率は21%。年収300万円のフリーターでも月約5万円を税・社会保険料として支払い、実際に生活費として使えるのは月額20万円弱しかないことになります。」

「負担はサラリーマンの方がさらに重く、健保組合の保険料は9年連続の引き上げで負担増は5万円を超え、2020年にはさらに15万円増えると経団連は試算しています。」

と書いてある。

所得税・住民税よりも社会保険の負担の方が倍以上大きいのだ。
それもこれも、高齢者がどんどん増え、若者が減っているのに、2000年代に入ってからもこの年金制度を変えていないからだ。

さらに、国民年金はこの10年間に17%も上がったとのこと。
それを是正するために消費税を上げようとすると、みんな反対する。
消費税の2%など社会保障負担に比べたら安いものなのに。
政治家がそういう事実を話して、そのうえで消費税を上げようと言えば、結果は違うだろう。

この事実を高齢者は知らないのだろう。
ぼんやりとは知っていても、自分が払ってきたから、もらうのは当たり前だと思っているのかもしれない。
それはもう、当たり前と言えるレベルではないと思う。
今までの人たちがもらっていたという年金は、高度成長の時代の遺物であり、高齢者が増えたら貰えるお金は減らさないとシステム自体がおかしくなる。
それをもっと多くの人たちは知らないといけない。
この状態なら、若い人たちは使えるお金もなく、希望もないから結婚もできないし、子どもも作らない。

高齢者にとっては耳が痛い話だが、それをもっと議論しないといけない。
いつまでこんなことを続けるのだろうか。

これを何とかするのは、政治の責任だと思う。


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