考えたこと2

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やりたいことがわからない
就職の相談では、いろんな悩みが出るが、「やりたいことがわからない」「やりたいことがない」というのもそこそこある。

「自分ができること」「自分がやりたいこと」「自分が納得できるもの」という3つの観点から考えてみよう、というのがシャインという人のキャリア理論。
アメリカらしい考え方だと思う。
今の指導もそれに基づいて、自分を掘り下げて考えて、仕事を見つけよう、ということになる。

でも、そう簡単にはいかない。
それが見つからないという人もいるだろう。
自分の経験からしても、そんなことは考えなかった。

ぼくが入社したのは1979年。
その時には、自分がやりたいことなど全くなかった。
会社に入って、やれと言われたことをやるしかない、と思っていた。

4年生の8月になって、企業からの求人票が学科の事務室に貼り出され、その中のひとつが神戸本社だったので、それを持って事務室に行き、「ここに行ってみたいんですが」と言ってOKをもらい、何らかの手続きをして(覚えてない)、その会社に行ったという経緯。

今のように、やれインターンだ、自己分析だ、志望動機、業界研究だというようなことなど一切なかった。
調べてみると、昭和54年の学年全体の人口が全体で156万人ほどで、大卒者の数が37万人。就職率は74%だった。
そういえば、ぼくが卒業した年は第二次オイルショックで景気が悪いと言われていたなあ。
それでも、まだ高度成長の時代だった。
ちなみに今は学年全体で120万人ほどで、大卒者数55万人、就職率は67%くらい。

会社の選び方は甚だいい加減。
給料の水準を調べたわけでもなく、年間休日を見たわけでもなく、どういう商売をしているかもわからず、神戸にあるというだけの理由で会社を選んだ。

ぼくの学生生活は甚だ不真面目だった。
起きている時間の大部分は落研のボックス(部室のこと)に行ってグダグダと過ごし、それがお開きになると安い酒屋に飲みに行くか、夜中に下宿が近くの友達のところに行ってまたグダグダと過ごすという日々だった。
でも、こういう生活を続けていてはダメだと思い、働こうとは思った。
それだけだった。

だからマジメに働いた。
やらないといけないことはやったと思う。
納期に間に合わせるためには、毎日残業したし、それなりのサービス残業もした。
会社の将来も考え、やるべきことをやり、技術の将来も考えた。
転職してからは、教育することについてマジメに取り組んだつもり。
その延長上に今がある。

そんなわけだから、やりたいことがないと言われると、そらそうだろう、と思う。
実際、働いてきて、そんなもの最初からわかるわけがないと思う。
というか、みんなそんなものはわからないんだと思う。

少なくとも何年か働いてみて、それで初めてなんとなくわかるものだ。
それまで、やりたくなかったことにも意味を見出したり、やりたくなかった事こそが、やりがいにつながるものだ、という発見もあるだろう。
だから、いつも「あなたのやりたいことは何ですか?」と聞く時に、迷いがある。
そんなこと、わかるわけがない、と思うのだ。
それをあまり仕事の入口で問うのは、ムリだろうと思ってしまう。

だから、ぼくはあまりそれは聞かない。
ぼんやりと、こんなことがしてみたい、というような思いとか、逆にこういうことだけはしたくない、という思いだけははっきりさせておこう、と話す。

それでもやりたいことがわからない、という人には、それは誰でも一緒だと話す。
やってみてないのに、わかるわけがない、という理屈だ。
それはこれからの仕事人生をかけて見つけるものだ。
だから、入口ではどうしてもやりたくないことでなければ、やってみよう、と話す。
実際、それしかないと思う。

幸い、今は終身雇用が崩れ、自分のキャリアパスが考えられるような時代になってきた。
どうしてもわからない人は、少なくとも3年間働いてみよう。
そこで何がしたいか、ちょっとはわかるのではないか。


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