考えたこと2

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日本の働き方
こないだちょっと書いたが、電通の新入社員の自殺についてコメントしている海外メディアの記事も多いらしい。
確かに、若い女性社員がクリスマスの日にビルから飛び降りて自殺するというのは、海外の人たちにとってはセンセーショナルだ。

ニュージーランドのメディアは転職が少ないことが原因だという。
80年代当時、もてはやされた年功序列・終身雇用という制度が雇用を固定化し、従業員の労働時間が不健康と言われている。
実際、今の雇用環境で6割を占める正社員には当てはまっているだろう。
正社員には長期にわたるコミットメントが求められ、単身赴任やサービス残業などの問題が多い。
調子が良い時にはプラスに出るが、これだけ低成長が続けばマイナス面が大きくなるということだ。

ぼくは3ヶ月フランスに出張したが、その時に驚いたのは彼らにとって転職することが給料を上げることだ、ということ。
給料における年功や手当の部分が少なく、実績がものを言う。
そのために、自分の経験を引っさげて会社を変わり、より給料の高い仕事へと変わっていく。
だから、日本で研修したら、すぐにその経験を履歴書に書いて辞めたりする。

記事の中でアメリカも「よい労働条件を求めて転職するのは当たり前であり、給料アップや昇進のために転職をしていくことは普通である」と書かれている。
そのことと、日本のような正社員がいない、ということはセットなのだ。

またフランスで行われた世界15カ国の調査結果も紹介されている。
それによると、日本人は世界と比べて「ダントツで仕事にいい印象を持っていない」とのこと。
ぼくにとっては「ほんまかいな」という感じだが…。
でも、ぼくが会社勤めをやめたのは十数年前だから、だいぶ変わっているのかもしれない。

いい印象を持っていないから、仕事に対してやる気がないという結果。
イギリスのエコノミスト紙によると、日本の会社は労働生産性が悪い、ということだ。
これは主にホワイトカラーに関するものだと思う。
工場などの生産性はぼくが入社した頃は高かったし、工程の機械化なども進んでいるから、そこは今でも悪くないと思う。

エコノミスト紙は「仕事の成果よりも会社で過ごす時間や仕事への献身さに価値を見出している(日本のような)文化では、仕事のビジネス慣行を根本的に変えるのは容易ではない。あるIT企業の会社員(42、匿名を条件に取材に応じた)は、『会社は大きなチームのようなもの。私が早く帰ったら私の仕事を誰かが引き継いでやる必要が出てきて、かなり罪悪感を感じる』と話す」と書いている。

こういうことは確かにあった。
ぼくも反省しないといけないと思う。
たしかに、仕事の成果よりも仕事への献身さに価値を見出すということはあった。
どうしても「和を以て貴しとなす」というところがあったからだ。

ぼくの海外出張中も、ヨーロッパでは夏は10時位まで明るいから夜の8時頃まで外で仕事をする、と言って呆れられた。
その当時、限られた時間で成果を出そうと思うと、そうしないといけないと思ったのが事実。
でも、結局はそんな考え方ではダメなんだろう。

アメリカでの意見が紹介されているが、それはボロクソだ。

「(日本の)超過労働は経済にあまり恩恵をもたらしていない。なぜなら、要領の悪い労働文化と、進まないテクノロジー利用のおかげもあって、日本は富裕国からなるOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも、最も生産性の悪い経済のひとつであり、日本が1時間で生み出すGDPはたったの39ドルで、米国は62ドルである。つまり、労働者が燃え尽きたり、時に過労死するのは、悲劇であるのと同時に無意味なのだ」

これは事実。
日本はOECDの中でも、最低レベルの生産性だ。

一度、以前の会社でITの導入をした時、入れようとしているシステムを作っている会社の人から言われた。
もう最終段階で、入れることは決まり、あとは決済だけという段階だった。

「御社は決済フローが短いですねぇ」
「え、かなりややこしいと思いますが…。これでも決済を取るのに大変なプレゼンをして…」
「いや、ウチでは少なくとも20個はハンコが要ります。だから時間がかかります」

たしかに、決済のハンコの数は半分以下だった。
そのITの会社はTVでCMもしており、かなり先進的な会社だと思っていたが、それでもセールスの人はなかなか物事が決まらないとぼやいていた。
相手の会社はだいぶ大きかったが、それでもIT系の会社だからもっと早いのかと思っていたら、そんなことはなかった。
でも、売上に対する使用額からいったら、ぼくらのほうがよほど大きい買い物だった。

それは、ぼくのいた会社がある時期まで外資系の会社だったからかもしれない。
珍しい会社だった。
会社に入った時は外国人がいたし、エライ人はみんな英語を(ブロークンでも)話せた。
もう日本の会社になっていたが、それでも、会社の仕組みは海外風だったのではないかと思う。

そんな会社だったから、ちょっとはマシだったのかもしれない。

でも、もう日本の会社の有り様ではダメなんだと思う。
年寄りが反省して根本から変えていかないといけないんだろう。

それも難しそうだが…。

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