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2016.02.27 Saturday
ガラパゴス政治
軽減税率は導入している国はヨーロッパに多いが、それは過去の経緯があるものであり、これからは入れない方がいいということを言っているらしい。
日経にそういう記事があった。 「世論が支持する軽減税率の導入を政権が決定するのは当然のように思われる。しかし国際社会では、軽減税率は消費行動をゆがめ、金持ちを優遇すると知られてから30年以上たつ。」 東大の教授が書いている。 さらに、軽減税率を入れた経緯をこう説明している。 「欧州諸国は逆進性緩和のために軽減税率を導入したのではない。欧州では消費一般への課税の伝統が長く、その古い形態を付加価値税に転じる際、既に存在した低い税率が温存されたのが軽減税率の始まりだ。その弊害が明らかになっても廃止できないのは、既得権益を守り利権を配分できる軽減税率を一部業界や政治家が手放さないからだ。 最初に付加価値税を導入した西欧諸国は、他国には軽減税率を使わないよう助言している。にもかかわらず新たに導入するのは、先進諸国としては日本が初めてである。」 こういう専門家の声がどうして今ごろ出てくるのか。 日経は宅配の新聞は軽減税率を適用、ということが決まってからこれを載せた。 きっと社内にもこれはオカシイという人もいたのだろう。 それは、いやしくも「経済」を名乗った新聞だから、今ごろ軽減税率など…、という人もいたはずだ。 その声はかき消されてしまったが…。 一部の経済学者は、軽減税率などもともと相手にしていなかった。 そんなものを導入するとは考えていなかったからだ。 しかし、おそるべきポピュリズムである。 軽減税率というようなものを導入したら、そこに利権が発生し、利権が発生する所に政治家が活躍する温床ができる。 すでに、そういう動きもあるらしい。 公明党がそこまで考えていたとは思わないが、結果的にそうなった。 国際通貨基金(IMF)でも、軽減税率はやめるように言っているとのこと。 いったい、公明党は何を考えているのか。 記事の最後にこう書いてあった。 「先進諸国がより高い課税負担を国民に説得してきたのに対し、与野党ともに増税の先送りと減税で有権者の歓心を買ってきた政治がその原因だ。政治が政策を吟味せず、唯一の負担軽減の手段のごとく提案すれば、軽減税率への世論の支持は当然高くなる。労なく支持を得んと導入に走るのは、政治の無責任である。」 本当にそうだと思う。 マスコミが専門家の声を封殺すれば、世界では廃止の方向の法案も通るということだ。 きっとここには「政治とマスコミの無責任」と書きたかったのだろう。 これこそ、日本特有。ガラパゴス政治だ。 |
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