考えたこと2

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認知的成熟度
「思考の老化」をどう防ぐか、という和田秀樹の本を読んでいる。

この人は一時入試関係の本や勉強法の本を書いていたが、本業は精神科医で、認知心理学をやっているらしい。
認知症もやっている。
そこで、「思考の老化」という本を書いたという事になる。

その中に認知的成熟度、という言葉が出てきた。

「幼い子どもは、テレビなどで敵味方がハッキリしている勧善懲悪の「戦隊もの」が好きだが、成長するにしたがって、物足りなくなり、アニメでもドラマでも人物の心理的な葛藤まで描かれた物語に惹かれるようになる。」
これを認知的成熟度、という。

「ものごとを白か黒かのオール・オア・ナッシングでしか判断できなかったのが、成長するとともに、「白と黒との間には限りなくたくさんのグレーがある」と認められるようになる。ものごとを複雑化、複線化して考えられるようになるわけだ。」

「曖昧さに耐えたり、たくさんあるグレーを見分けたりする能力が高いことを「認知的複雑性が高い」
というが、これがすなわち認知的成熟度の高い人である。」

こういうことである。
当然、オトナになるということは、認知的成熟度を上げていくということになる。
ただ、これが年をとると衰える。

「子どもから大人になるにつれて、だんだん認知的な成熟度が上がってきたのに、また年をとるとともに認知的に退行してきて、グレーが認められないとか、決めつけないと気が済まないといった思考に戻っていく人が、実は多いのである。」

ということらしい。

たしかに、今の若い人も年寄りも、思考に余裕がない。
原発の騒ぎなど見ていると、いかに認知的成熟度が低い人が多いかよくわかる。

決めつけないと気が済まない、というのもよくわかる。
要は、曖昧さに耐えられないのだろう。

曖昧なことを曖昧なままにしておく能力、これが認知的複雑性。

ぼくも含めて、今の日本人に欠けている能力だと思う。


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