考えたこと2

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美術の先生
中学の時、変わった美術の先生がいた。

もうかなりの年齢で、分厚い眼鏡をかけていて、何かしょうもないことをすると「タンスカ」と言う。
タンスカとは、スカタンをひっくり返したものだ、と先生は言っていた。
いつもスーツ姿だった。
名前は忘れてしまったが、ユニークな先生だった。

ぼくは美術は大の不得意で、小学校の時に2を取ったこともある。
スケッチをするのだが、今から思うと、物を見ずに、物の色を決めていた。
リンゴは赤、みかんは黄、木の葉は緑、枝は茶色…。
だから、何でも一色で塗っていた。
枝は茶色で、葉は緑、土は茶色…、簡単やという調子。
これで成績が良いわけがない。

今ならものの色は、千変万化だとわかるが、そういう概念がなかった。
ぼくは右脳を使うのが苦手だ。
物事をイメージで捉えるというのが難しい。
どちらかというと、言葉で覚えている。
そういう人間には、美術は難しい。
今も色は千変万化だとわかっているが、イメージでわかっているのではない。
言葉でわかっているのだ。

しかし、美術の先生には、そういう人がいることが理解できないのだと思う。
まず、美術の先生が、世の中は言葉で表せるものではなく、自分の目で見て色を決めるものだ、というような事を言ってくれないといけない。

話がそれたが、その先生は右脳が不得意な人にも点をくれる事をしてくれた。
12色を順番に覚えないと試験は通らない、と明言したのだ。

赤、赤みの橙、黄みの橙、黄、黄緑、緑、青緑、緑みの青、青、青紫、紫、赤紫。

こうだったと思う。
いまだにそれを覚えているのは、その先生のおかげだ。

補色というのは、12色をリング状に並べた時に反対側に来る色。
これもその先生の授業で習った。
赤の補色は、赤から6つ先の青緑あたりになる。
この補色同士を組み合わせると、目立つということだ。
この知識は会社に入って、スライドを作るときに文字の色と背景の色を決めるときに役に立った。

よく「タンスカ」と言っていた。
生徒はみんな?がたくさん浮かんだ顔をして、反応しなかったが、それでも「タンスカ」と言っていた。
それでも、当時の生徒は黙って聞いていた。

今なら、授業が崩壊しているかもしれない。

でも、そういう名物先生がいて、生徒がその先生の話を聞いた、ということは大事な事ではないかと思う。



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