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2011.06.02 Thursday
答えのないもの
世の中に答えがあるものはめずらしい。
たいがいは答えがない。 学生時代に、君らのやっている方程式は答えがあるから簡単だ、実際に世の中では答えのないものばかりだ、という事を先輩に聞いた。 実際に社会人になってみたら、式すら立たない世界だった。 25年間そんな世界で働いてきた。 結局は複雑すぎて、本当のことはわからない。 いろんな誤差が混じっている。 しかし、良いものを作るために頑張らないといけない。 そのために、解析をする。 結局は統計に頼ることが多かった。 時には、結論ありきでデーターをまとめたりする。 それでまとまるということは、その結論が正しいかもしれない。 正確にいうと、正しいかもしれない答えのひとつではある。 それでも、説明では「この結果からいえることは、これです」というふうに結論をいう。 そうしないと、仕事が前に進まない。 納期があるのだ。 だから、みんなが納得する必要がある。 納期のない仕事なら、確認すればいいが、普通はそんな仕事はない。 そんなものには、お金は出せない。 結局、答えのないものに、むりやり答えを出す。 そんな仕事もある。 というか、それが仕事だと思う。 結局は、自分で責任を取るのだ。 しかし、世の中には、はなから答えがないものもある。 人間に関するものは、ほとんどそうだろう。 科学はそれを脳に置き換えようとしている。 しかし、今のところそれは成功しているとは言い難い。 結局、人間にとって、一番わからないのは、人間の存在だ。 それは、ギリシアの昔から、変わらない。 それこそが、一番答えの出ない問題だろう。 |
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