考えたこと2

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事件の後はカプチーノ
事件の後はカプチーノ クレオ・コイル ランダムハウス講談社

ニューヨークのコーヒーハウスを舞台にしたミステリの2作目。
今回もコーヒーに関するうんちくが読める。

でも、1作目よりはミステリっぽくなっている。

今回は主人公のクレアが、娘がお見合いパーティに出るのを心配して自分もそこに参加し、恋に落ちてしまう…という筋立て。

クレアの恋は何とも言えない結末を迎えるのだが…。

相変わらずコーヒーづくしの本である。

コーヒーのリキュールや肉料理にコーヒーを使うものなど、色々と出てくる。

ビレッジブレンドという、クレアのコーヒーショップに行ってみたいと思わされる本だ。

今回もエスプレッソについて、こんな書き方をしている。
作者はよほどのエスプレッソファンなんだろう。

「抽出のプロセスが始まるとエスプレッソの粘度をチェックし、たらりたらりと出ているかどうかを確かめる(そうです、エスプレッソは温かいハチミツのようにたらりたらりとにじみ出てこなくてはだめ。勢いよく流れ出てきたら、マシンの温度と圧力に問題があるということ。これではエスプレッソとはいえない。ふつうにいれた、ただのコーヒー)。
 ビレッジブレンドのエスプレッソマシンは半手動式だ。つまり、バリスタ(いまのわたしのこと)が手動で湯の流れを止めなくてはならない。止める時間は八秒間から二十四秒間のあいだ。それ以上長く止めていれば抽出しすぎてしまう(豆に含まれる糖類がそこなわれて苦くて焦げた味になる)。それよりも短いと抽出が足りなくなる(薄くて風味のない、ぱっとしない味になる)最高のエスプレッソをいれるためには、たくさんのことに気を配り、微妙なさじ加減で調整しなくてはならない−もちろん、タイミングもそのひとつ。そう、人生と同じ。」

どうです?
ビレッジブレンドのエスプレッソを飲んでみたい…と思うでしょう??

3作目が楽しみである。



| | | 22:37 | comments(0) | trackbacks(0) |
マネー・ハッキング
マネー・ハッキング 幸田真音 講談社文庫

だいぶ前に、デリバティブの事が書いてあるとのことで、買った本。
連休前に読んだ。

この幸田真音という人は、もともと外資系の銀行でディーラーをやっていただけあって、銀行内部の様子やディーリングの場面はすごく臨場感がある。

主人公は女性のベテラン銀行員。業務一筋で、プロのキャリア・ウーマン。
そこに、若い天才ハッカーと中年の債権ディーラーが絡んで、一つの賭けをやるというおはなし。

3人の生まれも育ちも全く違う人間が、一つの犯罪をやるために力を合わせ、だんだんと強い絆で結ばれていく。

そして最後には、3人とも自分の夢を追って、別れていく…。

犯罪を犯しながらも、銀行内部の不正を暴き、どんでん返しが心地よいストーリー。

1996年に書かれた作品であり、インターネットの記述については少し古さを感じるが、銀行内部のディーリングの様子や伝票処理、オプション取引の様子など、迫力がある。

お金が、お金を生む…虚業である銀行の中がよくわかる作品。

この人の金融小説は面白いですよ。


| | | 00:08 | comments(0) | trackbacks(0) |