考えたこと2

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輝く場所
この冬はいくつか長袖のTシャツを買いそろえた。
ずっとTシャツは半袖…と思ってきたが、冬は長袖のTシャツを着て、その分薄着をするというのもよい。

どうしてそんなことになったかというと、去年の秋にライブハウスでピアノ弾きが、長袖のTシャツに厚めのジャケットを着て、すごい演奏をするのを見たからだ。

ルーズな袖口で、紺色の無地のTシャツだった。
白髪まじりの長髪で、老眼鏡を鼻メガネにして楽譜を見ながら、歌のバックを弾いていた。
興がのると、全身でピアノを叩くように弾く。
静かに弾いている時は、昔テレビによく出ていた世羅譲みたいな感じだが、勢いがつくと鍵盤を端から端まで使って、身体でリズムをとってピアノにぶつかるように弾いていた。

その姿がかっこよく、印象的だったので長袖のTシャツを買いに行った。

どうも、あの演奏をしていた時に着ていたのは、ユニクロの1000円のTシャツと似ている…ということがわかり、紺色とグレーを買って、この冬愛用している。

それにしても、あの演奏の姿はかっこよかったなあ…と思う。

でも、あの夜ライブハウスを出て帰途につくために駅に行ったら、となりの中華料理屋でさっきの彼がラーメンをすすっているのが見えた。
そこにいた彼の長袖のTシャツは、たんに寒がりのおじさんのようだった。

格好ではなく、ピアノを弾くという場所が、彼を輝かせていたのだろう。

でも、あの場所で弾いていた彼のピアノのすごさにあやかるために、僕も長袖のTシャツを着ることにした。

自分が輝ける場所を持てる人は、幸せだと思う。

それは、本人が意識できることではないかもしれない。

あの、ピアノ弾きの彼にとっては、ピアノの前も、中華料理屋のカウンターも同じ「自分」だっただろう。

何かに一生懸命になれて、それが誰かに認められる…そんな時間が、輝ける時間なのかもしれない。


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