![]() |
2007.02.26 Monday
過ぎ去ってみないと…
学校ではもうすぐ学年末のテストが始まる。
ぼちぼち試験の日程が発表になるころで、「あー、また試験か」というぼやきの出る季節である。 ここ数日のうちに、期せずして二人の子供から同じことを言われて、同じことを答えた。 「オトナは試験がないから、楽や」ということである。 彼らには、学生時代がいかに自由で、楽しいものであるかがわかっていないのだ。 「オトナは試験はないけど、シンドイんや。オトナになったらわかる。」 そういえば、定期考査の時に、自分もそう思ったことはある。 口には出さなかったと思うが…。 たしかに、暗記科目の地理や歴史を覚えたり、英語の単語を覚えたり、漢字を覚えたり…しんどかったのは事実だ。 ワケのわからない数学の問題をやらされ、こんなものをやらなくても生きていくのに何の問題もない…と思ってみたり、山や川の名前を覚えて何になる…と思ったり、歴史などやってもしかたがない…と思ったりした。 今なら、それはマチガイだとわかるのだが…。 それでも、オトナになって仕事をしはじめたら、そのころの苦労など比較にならない…とぼくは思う。 納期に追われ、意に添わないこともやらねばならず、責任が伴い、できるまで帰れなかったりする。 そうなって、きっと、「学生時代は、よかったなあ…。」と思うに決まっているのだ。 でも、そういうことは過ぎ去ってみないとわからないのかもしれない。 自分自身も思ったし、今の子供たちも思っているのだから。 そんなことは他にもいっぱいある。 自分に対する期待や、夢を持つこと、やりたいことがたくさんあること、欲しいものがたくさんあること、利害関係のないトモダチ、純粋にやりたいと思うこと…。 オトナになることで、失うものがわからないのは、それがわかってしまったら、誰もがピーターパンのようにオトナになりたくなくなるからかもしれない。 過ぎ去ってみないとわからない…それでいいのだろう。 彼らも、いつかはそれを悟って、同じ言葉を繰り返すに違いない。 |
![]() |