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2006.12.11 Monday
欲しいものは…
最近、飯田経夫という経済学者(もう亡くなっておられる)の本を読んでいる。
この人は、経済学というものを、アダム・スミス、マルクス、ケインズという3人の偉大な経済学者をもとに概説している。 僕の読んだ本は、バブルの崩壊後すぐに書かれたもので、バブル後の不況を見て、本当に不況なのかと問うていた。 1999年に書かれたものだが、たしかにあの頃バブルは崩壊したとはいえ、マスコミが不況・不況というほどの不況感はなかったと思う。 それよりは、景気が回復した、回復したと言う今の方が、99年当時よりも不況感がある。 本の中には、今の日本で、もはや欲しいものがないほどに豊かであるのに、一体どうやってものを消費するのか、と書かれていた。 そうかもしれない…と思う。 実際、世の中が変わってきているのだ。 「物より思い出」という宣伝があった。クレジットカードか何かのコマーシャルだったか…。 今は、物よりも形のないサービスや時間、行動などの方が消費される時代だろう。 携帯のパケット代など、その最たるものだ。どうしてもパケットをたくさん使って、通信しなければ困るものなどほとんどないはずだ。 そんなものに、若い人たちが月に数千円を使う…。 少し前なら考えられないことだが、どんどん消費の方向が変わってきている。 飯田さんの言われた後、日本の社会はどんどんオカネを動かすために、そんなサービスを生み出してしまった。 一体どうやってものを消費するのか…、こうすればよい、という答えがそんな過剰サービスなんだろう。 それは、果たしていいことなのだろうか。 人間の欲望を限りなく満たすことが、資本主義の行き先だとしたら、それは危ないものだと思ってしまう。 これからどうなるんでしょうか…。 |
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