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2026.01.17 Saturday
日本語教育の劣化
2000年代に日本語学校の仕事をしていた人と会って話を聞いた。
民主党政権の事業仕分けで、それまでやっていた日本語学校の第三者評価を廃止したというのは以前書いたが、その経緯を知っている人だ。 現状を話して、やはりJLPTの日本語検定のレベルもだいぶ下がっているのではないかとのことだった。 Geminiに聞いたら、2010年前後でテストの内容が変わったとこのこと。 ちょうど第三者評価を民間でやっていて、それをやめた頃だ。 その理由が「漢字圏の国が有利になるから、公平にする」ということ。 あきれてものが言えない。 漢字圏の国は当然有利なのだ。 当たり前だ。日本は漢字を使っているからだ。 それを「公平」という言葉で、漢字の知識の問題をわけもなく減らしたのだ。 これは犯罪的なことだ。 日本語の一番コアなところを骨抜きにしてしまったということだろう。 だから、新試験(N1)では漢字の知識が必要な問題を減らし、その結果 「かつての旧1級は漢字の配点が高く、非漢字圏の学生には極めて高い壁でした。しかし、新試験(N1)への改定では「公平性」が重視されました。 漢字語彙の難易度低下: 非漢字圏の学生でも合格できるよう、あまりに難解な漢字語彙が排除されました。 聴解・戦略の重視: 非漢字圏の学生は漢字で稼げない分、YouTube等で徹底的に「試験対策テクニック(聴解のひっかけパターンや消去法)」を訓練します。 皮肉な結果: 漢字圏(中国・韓国など)の学生が「地力」で受かる一方で、非漢字圏の学生が「徹底したN1特化型の対策」によって、実力が伴わないままスコアだけを積み上げる現象が起きています。」 というような事になってしまった。 日本語や中国語の特徴は文字にある。 表音文字ではなく表意文字なのだ。 つまり、偏や旁をみて意味を類推するとか、漢字自体の意味を知っていたら熟語の意味を類推できる、という特性を軽視したということだ。 だから、N1保持者でも例えば「放出」という言葉がわからない。 「放」も「出」もだいたい「外に放つ」という意味だから、「ほうしゅつ」と読めなくても日本人なら意味はわかるはず。 それが全くわからないN1の学生がいる。 それは、とりも直さず、読む書くを軽視しているからだ。 とりあえずアルバイトで使えるような、実用的な聞く話すを重視して、結局安い労働力として使いたいということになる。 そんな人は、役所の文書を読むとか、日本語の参考書を読むとかいうことができない。 いくらAIが発達しても、その国で暮らす限りは、読み書きはできないと共生などできないと思う。 実際、外国人で日本語が堪能な人たちは、漢字の意味をわかっているのだと思う。 そこが日本語の読み書きのコアの部分だからだ。 読み書き算盤というが、聞く話すも大事だが、やはり読み書きができないとダメだということで、江戸時代から日本の識字率は高かった。 それが明治維新を成功させた一つの要因だったかもしれない。 そういう伝統がありながら、この15年国がやってきたことはその伝統を破壊することばかり。 その理由は安い労働力が必要だから、ということになる。 それは外国から来た人にも失礼だし、日本文化を守るということからもダメだと思う。 |
