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2025.09.19 Friday
日本語能力不問
留学生の就活の支援で、大阪府がやっている面接会で求人があった。
そこに、「日本語能力不問」という求人があり、びっくりした。 その会社は建設業のエンジニア(施工管理職)を派遣している会社。 実際社内にたくさん海外からの留学後、入社している人がいる。 施工管理というのは、建設現場で文字通り施工を管理する仕事。 一日のスケジュールは下記のようなもの。 8:00 朝礼 ラジオ体操、人数把握、体調確認、 現場内の立ち入り禁止などの注意事項、安全確認を実施。 8:30 搬入立ち合い 部材搬入のトラックが予定通り来ているか? 安全な場所に駐車しているか?を確認。 安全な状態で荷物を降ろしているか運んでいるかを立ち合いチェック。 9:00 工事スタート 巡回・写真撮影。記録・各工程ごとに作業員へ指示。 工事に遅れが無いか、現場に危険な所・破損等が無いか安全面も含め確認。 12:00 昼食 13:00 昼礼 翌日の人数報告や午後の工程で新たな危険や立ち入り禁止箇所を周知。 進捗状況・変更点を報告、確認。想定外のことに柔軟に対応して軌道修正。 13:30 現場巡回〜事務作業 工程表通り進んでいるか現場を巡回して進捗確認を実施。 工事に必要な発注物の数量の計算、書類作成。 15:00 進捗状況の確認 小休憩を利用して職人とのコミュニケーション。 17:00〜19:00 事務作業・退勤 終礼、事務作業、写真整理。 1日の作業内容を振り返り、明日の作業書を作成。 とにかく、この仕事が人手不足ということだ。 しかし、だからといって日本語が読めない、話せない人が役に立つとは思えない。 外国語などは全く必要がない仕事だ。 スケジュールを見て分かる通り、職人さんが仕事をちゃんと理解して安全に進められるように注意をして、そして工事中や工事後の写真を撮って、記録するという仕事。 大概の会社では、無資格で入った人を現場のアシスタントとして仕事をさせて、まず実務経験を積み、2級施工管理技士の取得を目指す、というキャリアパスになる。 しかし、日本語が小学生卒業程度の漢字しか知らず、いくら実務経験を積んだと言っても、そんなに簡単に現場の補佐業務ができるのだろうか。 現場の管理責任者が出した指示を、ちゃんと理解しているかどうかも怪しいのだ。 現実に、日本語能力不問でそういう会社に入る外国人がいる、という事実。 今、人手不足で外国人にトラックのドライバーなどの仕事もできるように、ということで制度が改正されている。 そもそも、日本語がちゃんと通じない人が留学生でいる、ということも問題なのだが、それは定員割れの大学の救済の面もある。 要するに、外国人を日本の学校法人や、高給を出して人を雇えない建設会社を助けるために使っているのだ。 彼ら自身の日本語の勉強が不足している、という原因はあるが、それをちゃんと周知させて、このレベルにならないと日本では働けないという基準がないのだ。 それが「日本語能力不問」という留学生向けの求人に現れている。 こんなことをやっているのが日本政府、しんどい学校法人や建設会社、日本来て学ぶというより働きたいという外国人、そしてその就職の世話をしているぼくらになる。 この負のスパイラルはできるだけ早く断ち切らないといけないぞ。 |
