考えたこと2 | 教員採用試験

2025.01.09 Thursday

教員採用試験

教員採用試験の倍率が小、中、高のいずれもで過去最低だった、という記事が1月4日の日経に出ている。
見出しは「教員働き方改革の本丸は文科省改革？」というもの。

受験者数は全校種合計で11年減り続けて、4割減ったという。
昨年度うつ病などで休職した教員が7000人を超えて過去最高になった、というNHKの記事も紹介されており、原因はそういう厳しい労働環境であることが、一般にも周知された事が大きいのではないか、と書かれている。

わいせつ行為をした教員も増えており、教員の質の低下も言われている。
そのため、以下のようなデス・スパイラルが起こる公算が大きい、という。

「① 求職者が教員の厳しい労働環境を敬遠→② 教員採用試験の倍率低下→③ 教員の質の低下→④ 教員の不祥事増加→⑤ 世間の教員批判の高まり→⑥ 教員管理の厳格化（教員への要請・制約の増加）→⑦ 精神疾患等による教員の退職・休職者の増加→⑧ 教員不足により一人当たりの業務量が増加→⑨ 超過労働（サービス残業）時間が増加→（①に戻り再び繰り返す）」

この記事ではこのスパイラルが起こる公算が大きいと言っているが、もうすでに何回もサイクルを繰り返しているのが現状だと思う。

少子化で教員数が減るのは当然だが、それ以上に質の低下が起こっていると思う。
それは教育の世界が閉じているからで、それが最も大きな問題だろう。
何年も前から、いじめの隠蔽の問題は起こっており、不登校の生徒数は増えている。
結局学校組織の体質が変わっていないからだと思う。

政府の教育にかける予算が先進国中では最低レベル、ということも書かれているが、それが本当に問題なのだろうか。
行政面では2013年に「いじめ防止対策推進法」を作ったが、効果はない。
いくら法律を作っても、現場の教師が変わらなければ、ダメなのだと思う。

一番早い方法は、教員の採用だ。
人を変えることが、最も効果があると思う。
そのためには、学校以外の社会人経験者を採用することだと思う。

日本はその比率が極端に低い。
Geminiに教えてもらったサイトの資料によると、「アメリカでは、全教員の６割が、５年以上教育職以外の職で働いたことがあると答えています」とのこと。

多様性が大事なのであれば、教員採用についても閉じた教育界ではなく、もっとオープンにするべきだと思う。
法律を作るなら、そういう基準を作るべきだ。

前にも同じようなことを書いた気がするけど…。