考えたこと2

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エンジンの寿命
ドイツのコンチネンタルというと、タイヤの会社だったが、今やM&Aによって世界4位の自動車部品のメーカーになった。
欧州は電動化に向かってまっしぐら、という印象だが、実際にはなかなかそうはいかない。
完全な電動化をするには、まだまだ電池のコストが高いのだ。
長年続いてきた内燃機関には、ガソリンがある限り、それなりの優位性がある。

ただ、完全に電動化するメリットは大きい。
部品の点数は大幅に減るし、スペースも生まれる。

さらに、未来のクルマ社会はシェアリングという脅威(メーカーにとっては)もある。
実際に日本では自家用車の稼働率は3%程度と言われており、シェアリングのメリットは社会的には大きい。
計算では3%の稼働率ということは、シェアリングすると、約1/30の車があればいい、ということだ。
だから、少々高くてもみんなでシェアすれば、電動化は来るかもしれない。
また、誰かが画期的な技術を生んで、バッテリーコストが飛躍的に下がれば、電動化まっしぐらになる。
そういう不確実性を考えると、クルマ業界は大変だ。

そんな中、コンチネンタルは「エンジンの寿命はあと20年」とハノーバーでプレスツアーの基調講演を行った。
それによると、2030年に生産が始まるディーゼル、ガソリンのエンジンが内燃機関の最後の世代になって、2040年以降は内燃機関は順次廃止、ということだ。
つまり、エンジンの寿命はあと20年、ということになる。
コンチネンタル自身は、2025年にエンジンの開発を止めるとのこと。

今の自動車業界は、できればエンジンの時代ができるだけ長く続いてほしいと思っている人が多数だと思う。
エンジンの方が圧倒的に部品点数が多く、たくさんの人たちを食わせられる。
今のサプライチェーンを維持したいのが本音だろう。
理屈では電動化の時代が来るとわかっていても、エンジンをできるだけ長く作りたい。
今エンジンの関係で働いている30歳や40歳の人にとっては、生活に関わる問題だ。

どのメーカーも環境汚染については敏感で、排気ガスの低減には力を入れている。
実際には将来ゼロ・エミッション(CO2ゼロ)を増やすと計画している。
結局どの会社もいずれは電動化の社会が来る、ということを認めているのだ。

ここにも書いたが、部品点数は大幅に減少し、さらにシェアリングで必要台数が減れば、自動車業界自体が縮小する。
そしてそれは、遠からず実現するであろうと言われている。
それでも、20年後と言われると、「えー」という声が出るだろう。
トヨタがハイブリッドの特許をオープンにしたのも、エンジンの寿命を伸ばし、少しでも自社、そして自動車業界のヒエラルキーを守るためだろう。

だからといって、完成車メーカーだけでなく、部品メーカーも生き残る道を探らないといけない。
それがロボットなのか、ドローンや飛行機なのか、他の産業なのかはそれぞれのメーカーが決めることだ。

思えば、馬車や人力車は自動車に駆逐されてきた歴史がある。
90年代後半にインターネットが普及し始めたとき、それが似十数年後にシェアリングエコノミー、というようなものを生み出すと思っていた人はほとんどいないだろう。
内燃機関が下火になるのは、歴史の必然なんだろう。

富士フィルムがフィルムがなくなっても生き残っているように、自動車業界の淘汰で誰が生き残るのだろうか。

幸い、ぼくはそれを見なくて済みそうだが…。




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