考えたこと2

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手書きの功罪
1990年代の後半あたりに会社にワープロが導入され、だんだんと手書きがなくなっていった。
ぼくがいた技術部は、一人一台の体制になるのが早かったので、かれこれ20年ちょっと、まとまった文章を手書きで書いた、ということはない。
ぼくは、ブラインドタッチを覚えるのが早かったので、最初の方こそ手で書くほうが早かったが、パソコンを打ったほうが早い、という時期を迎えるのは早かった。
仕事をしている上ではそう不便を感じたことはない。
でも、最近本当に字が下手になって、漢字が書けなくなった。

もともと字はきれいな方ではなかったが、自分では読みやすい字を書けると思っていたし、レポートなどを書いてもそういう評価だった。
ところが、ここ数年は本当に字が汚い。
最悪、自分で書いた字が読めなかったりする。
本気で、丁寧に書こうと思って気合を入れて書けば、書けないことはないのだが、なかなかそういうモードにならない。
大概は汚い字で殴り書き、という感じだ。

そんな時、Wall Street Journalで「米大学「ノートPC禁止」の講義、学生の対策は」という記事を見た。
記事の中にこうある。

「教室でのパソコン使用を一部教員が禁止していることに、幼い頃から手書きよりもキーボードに慣れ親しんできた世代が困惑している。携帯電話で授業を録音したり、字がきれいな友人に頼ったりする他、学校側に柔軟な対応を求めるよう懇願するケースも見られる。」

今のアメリカの大学の新入生は、小さい頃から手書きではなく、パソコンを使って打ち込んできた人も多い。
クロームブックというグーグルが出している、教育用のPCなどがその後押しをしているのだ。
ほぼ40年間手書きで書いてきたが、それでも20年ほどパソコンのキーボードで打ってきたぼくでも、字を書くことが苦手になるのだから、ずっと手書きをしていない世代には手書きで書け、と言われたらシンドイだろう。
やはり、自分の書いた字が読めない、ということになっているらしい。

この状況はいろんな衝突を教える側と学ぶ側に生んでいるとのこと。
大学側は手書きの良さやメリットを強調するし、学生側はパソコンの方が便利だという。
筆記体を教えなくなったことも、影響している。

しかし、大学側はだいぶ強気に出ている。

「学生がノートを取っているのか、アマゾンでスニーカーを注文しているのか、教壇からは判断できない。キーボードを使えばメモは素早く取れるものの、それは頭を使った作業ではなく、総合的に情報を理解できていないとする教員もいる。」

ということだ。

ぼくも教員側の意見には一理あると思う。
実際、パソコンで早く打てるのは文字だけだし、線や矢印で結びつけるとか、簡単な絵を描くとか、そういうことも含めると手書きの良さは捨てがたい。

しかし、小中高とパソコンを使ってやってきた学生にそれを押し付けるのは酷だとも思う。

日本ではまだまだそういう段階ではない。
小学校でプログラミングを教えると言っているが、キーボードリテラシーがない教員の方が多い。
でも、そのうちそういう時代が来る。

今となっては、どちらの気持ちもよくわかる。

頭の固い教育学者が、手書きにこだわりすぎないようにしてほしいと願う。

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