考えたこと2

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勉強ができる子ども
知らなかったが、去年の12月に「勉強できる子卑屈化社会」という本が出ていた。
著者の前川ヤスタカ氏は現在上海在住のビジネスマンで、インターネットでいろんなものを発信している物書きとのこと。

その人が自身の著書に関して書いてある記事を読むと、なるほど、そうかもなあ、と思わされる。

著者が問題としているのは、スポーツや音楽のできる子は素直に「すごいね」と言われるのに、勉強ができる子に対してはみんなが素直に「すごいね」とは言えないという風潮。
特にテレビがそういう情報を発信しているという。

芦田愛菜という子役が、名門中学に合格したときに「勉強させられて可哀想。親の言いなり可哀想。」という声が上がった、という。
著者は、勉強ができる子は、できれば楽しい、楽しいからやる気になるという天使のサイクルを回しているだけで、「させられている」という批判は当たらないと反論している。
「勉強は無理やりやらされるもの、スポーツは自主的にやるものというイメージがついてしまっていますが、そうではないのです。」ということだ。

テレビがいつまでも「勉強のできる優等生」をバカにし続けることで、勉強ができることに罪悪感を覚える子供が出てくる、逆学歴差別、というものがあるという。
だから、勉強ができると肩身が狭い、という状況ができた。
挙句の果てに、「学業は学生の本分。それを頑張っているにもかかわらず、「勉強できても将来役に立たないぞ」「勉強できるのと頭がいいのは違うぞ」と聞き飽きた忠告をしてくる大人がたくさんいます。」とのこと。
さすがに、こうなると問題だろう。

自分を振り返っても、たしかに、そういう感じはあったかもしれない。
「ガリベン」という言葉がある。
もう、死語になっているのかもしれない。
ネットによると、受験戦争という言葉が消えたと同時に、ガリベンも消えたということだ。

この「ガリベン」という言葉は、どちらかというと蔑称だった。
あいつは「ガリベン」や、と言われると、勉強ばっかりしているからダメ、というニュアンス。
そう言われるのがイヤだから、わざと勉強していないようにふるまうというのは、ぼくの世代、みんなの心にあったと思う。

遊びに誘われて、「勉強しなあかんから」というのは禁句。
どちらかというと、遊んでいるのに成績がいい、というのが理想だとみんな思っていた。
だから、そういう時は、なんやかや言い訳を考えていたような気がする。
そういう美学があった。

たしかに、テレビの学園ものなどもそうだった。
ラグビーやサッカーでチームプレイをすることこそが、「青春」だということだ。
日本人にそういう「ガリベン=かっこ悪い」という認識があったんだと思う。
そして、そういう勉強を第一にやる子を「勉強ばっかりする」ということだけで、バカにする風潮はあったと思うし、ぼくもその片棒を担いでいたと思う。

著者が問題にしているのは、まさにそういう「先入観」なのだ。
小林よしのりが書いていた、「東大一直線」というマンガも、その価値観の上にあった。
だから、こういう価値観はもう50年以上続いているのだと思う。
そこにこそ、問題があるということだ。

筆者は「先述したようなドラマやバラエティでの悪意あるステレオタイプ描写だけでなく、「正月返上で白球を追う野球少年の汗は美しいとされる一方、必勝のハチマキをしめて正月返上で勉強する子は可哀想」というような印象も、テレビや雑誌が紋切り型に提供し続けてきたものです。このような手垢のついたイメージはもう脱するべきだと思うのです。」という。

そうかもしれない。
言われてみれば、その通り。

しかし、この先入観の元は何なんだろう。
そこを突き止めないと、一朝一夕には解決しない問題だと思う。
何でスポーツは練習ばかりして上手くなってスゴイと思われ、勉強はダメなのか。

記事の中にこうある。

「メディアが振りまく勉強に対するネガティブな印象や誤解は、世の中に蔓延し、勉強を頑張っている子の心を少しずつ削ります。」

何で勉強だけ、特別なんだろうか…。






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