考えたこと2

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一人あたりは最低
ちょっと前にデービッド・アトキンソンという人の本のことを書いたが、それからちょくちょく一人あたりとか時間あたりのGDPというようなものをネットで見るようになった。
前に記事を書いた時は、日本人に謙虚さがなくなったという、文化と関係があると考えていた。

その後何度も見るが、日本の生産性は先進国でやっぱり最低らしい。
自分でもそれを信じたくないと思うが、それは謙虚さが足りないのだろう。

自分を思い出して、反省する。
ぼくは結構ワーカホリックだったので、残業時間は長かった。
もちろん、管理職になってからは残業代はつかないが、会社の電気代は無駄遣いしたかもしれない。
「かもしれない」というのは、残業してやった仕事の価値が高ければムダにはならないが、低ければムダになるからだ。

残念ながら、残業時間の大部分はムダだったような気もする。
残業は習慣になっていたし、それを削減しようとする気もなかった。
自分が好きでやっていたんだから、それについて言い訳しようとも思わない。
部下はたいがい帰っていたから、だれかを巻き込んだということもない。
しかし、自分の生産性は低かったという事実は残る。

でも、生産部門の生産性は高かったはずだ。
そう思って調べると、製造業は諸外国と比べてもそんなに低くない。
問題はサービス業の生産性が低いことだという。
要は国際競争にさらされている産業は、輸出しようと思うと生産性を上げざるを得ない。
それでなければ、生き残れないからだ。
技術的優位と生産性の両方が高ければ、工場移転しなくても国内でやっていける。

しかし、技術的な優位性がどんどん海外に追いつかれ、そこで人件費の問題が出てきて、海外移転をしないと食っていけないということになる。
いったん海外移転すると、技術の流出も激しくなって、移転のサイクルが早まる。
そういう歴史をたどってきたんだと思う。
だから、国内に残っている製造業は生産性という面では高い。

前に書いたG(グローバル)とL(ローカル)という区分で言うと、Lの部分が低いということだろう。

確かに公務員という区分のサービス業を見ると、最近でこそITで業務を合理化しているが、あの仕事はもっと少ない人数でもできると思う。
企業でIT化を図り、合理化をした90年代以降もそんなに減っていない。
今270万人程度だが、ピーク(1994年)から減ったのは50万人くらい。
会社の管理部門の減り方はもっと多かった思う。
そろばんや電卓で計算していた人たちは十数人いたが、全くいなくなったのだから。
その分を本当の住民サービスの窓口等に回したらいいのだ。
多くの公務員は4時半になったら、新聞を読み始め、帰る支度を始め、5時になったらぱっと帰る、などという悪口をよく聞いた。
どこまで本当がわからないが、そういうこともあるんだろう。
ぼくが学校法人の仕事をしていて会った公務員の人たちは、そんな感じの人も多かったが…。

こないだ書いたが、年金事務所では未だに「いろは順」で並べ替える書類があるという。
また、エクセルを使えばあっという間に終わる仕事を手でやったりしている。
そんな話を聞くと、たしかに国も含めて公務の部分はいくらでも生産性を上げられると思う。

ぼくは99年から2000年にかけて、アメリカの会社に何度か行ったが、感心したのはかなり年配のスタッフが、パソコンを使っていたこと。
日本でいうと、部長クラスになるんだろうか。
それを見て、パソコンを使うというトップダウンが徹底しているように思った。

そういうトップが、Lの世界には少なかったということか。
仕事にITを導入するのには勇気がいる。
いままでのやり方を変えないといけないからだ。
そこで止まってしまった。
競争がないから、そこまでやる必要はなかった。

Gの世界では、競争がある。
国内の同業他社だけでなく、世界のライバルたちが効率化を進めていた。
だから、やらざるを得ない。
そうしないと潰れるからだ。

結局、自由競争が大事なのは、こういうことなんだろう。
Lの世界には、そういう意味での危機感もなく、止まってしまった。

今からでも、Lの世界の効率化を進めないとイケナイ。
そうしないと、生産性でどんどんアジアの国々に抜かれていく。

しかし、それをやれる人材はいるのだろうか…。


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