考えたこと2

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社長の交代
家電業界の社長交代が進んでいる。

今年だけで、ソニー、パナソニック、シャープと3社の社長が交代した。
若返りを図ろうとか、既存のしがらみがない人をとか、事業の失敗の責任をとるとか、いろんな理由がある。

ぼくが就職した頃は、社長なんて遠い存在で、別に誰でもよかったし、どういう人が社長になっているのかすら知らなかった。
ある程度規模が大きければ、社長なんてそんな存在だったろう。
それは、まだ高度成長時代だったから、そうだったのかもしれない。
誰が社長をやっても、成長できたし、ある程度の時間がかかっても同業他社のマネをしていたら何とかなった時代だった。

ひるがえって、今は厳しい。
3社はみんな薄型テレビで失敗した。
特にパナソニックはプラズマに固執して、尼崎の工場を建ててすぐ閉めるという事になってしまった。
シャープも亀山工場の投資が重荷になっているらしい。
敵はサムソンやLGなどの韓国勢だろう。
資金調達のタイミングやその資金を投資する目的など、もっと早い時期に決めないといけなかったのかもしれない。
円高も逆風だっただろう。

こういう時代になってくると、社長の決定が社運を決めるようになる。
今までの日本の会社が直面したことのないような場面だ。
拙速と巧遅というが、どちらもダメな時代だ。
巧速が求められている。

しかし、情報量は多いし、考慮する要因の数も多い。
決めるのは難しい。まして、それが社員数万人の命運を決めるとなると、すごいプレッシャーだろう。

時代がデジタルになったのも大きい。
アナログなら、設計や製造の強みが生きた。
今までのノウハウや部品のバラつきなどの知識、基盤の配置や小型化、部品の精度など、工夫の余地があった。
しかし、デジタルなら、そういうことはあまり関係ない。
パソコンなど、基盤さえあれば素人でも作れてしまう。

おまけに、ネットの時代だ。
iPod の成功は、モノ自体ではなく、音楽データーをネットで配信するという仕組みだった。
そういう仕組づくりは日本のメーカーは不得意だ。
なぜ不得意かというと、それらがソフトウェアであるからだろう。
そしてまた、そのソフトウェアが無料だ。
金儲けは、そのソフトを使い、曲のデーターをダウンロードした時に発生する。
要は他人のふんどしで相撲を取って、その上前をはねる。
そういう商売に価値を置いていないのだと思う。

銀行と同じだ。
お金を集めて、それを貸し、その利率の違いが儲けになる。
今は決済の方法が増えて、そこからお金を取ることができるようになってきたが、要は上前をはねる商売だ。
だから、日本では銀行の地位が低い。
お金を右から左へ動かして、他人の上前をはねる商売だと思っているからだ。
ウォール街というようなものもない。
役所と銀行がまとまって今までやってきた。
だから、カネを貸すのも担保主義だし、ベンチャーに対する支援も薄い。

そして、日本人には、ハードウェアに対する信仰があると思う。
カタチのないものには、あまり価値をおかないのだろう。
だから、ソフトウェアの産業が伸びないのだと思う。

マンガやアニメなどのカタチのあるものは強いのだが…。

しかし、モノはなくならないし、日本の強みはやっぱりモノを作ることだと思う…、というか、そうであってほしい。
でもなあ、日本はモノがありきでソフトウェアを考えてきたからなあ。
その発想がダメなのかもしれないなあ。

家電メーカーの社長交代が、どうなっていくのかわからないが、とにかく頑張ってほしい。

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