考えたこと2

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受験
学校の夏休みも中盤に入った。

今年は次男が受験生で、夏休みが経つのが早いといっている。
高3の夏休み。
計画をたてて、進捗を見ろ、と言っているのだが、決めたことをやれているから大丈夫という返事。
計画をたてないと、もれができて、困るぞと言っているのだが…。

ぼくらが高校の頃は、4当5落などと言われ、4時間睡眠なら合格、5時間寝ると落ちるというような事が言われていた。
一応、受験戦争という時代だったが、当事者からするとそんなにきついという意識はなかった。
今のように情報量も多くなく、自分の選択肢はなんとなく自分で決めた。
受験科目は多かったが、今のセンター試験よりはマシだ。

だいいち、2科目で入れるようなところはなかったし、今よりも大学側は強気だった。
選んで、入れるという状況。
昭和50年当時、18歳人口は今より多かったし、学校数が420校、在籍者が170万人という時代。
今は780校もあり、在籍者は290万人。

おおかた倍になっている。
入りやすくなっているというが、それでも今の受験生を見ていると、気の毒である。
ぼくらが受験した2年後に、センター試験の元になる共通一次という試験ができた。
マークシートの始まりだ。
最初は国立だけだったが、徐々に私立も利用するようになった。
今ではたくさんの人がその運営に関わり、予算も巨額になっている。、

その試験ができたおかげで、全ての大学が試験の得点で分析されるようになった。
予備校が競ってデーターをとり、偏差値ができ、序列ができた。
それと同時に大学が増え、受験生が増えた。
つまり、大学のユニバーサル化が始まったということだ。

そうなると、受験生の取り合いが起こり始め、経営を重視した学校が試験の科目を減らした。
試験の科目を減らすと、受験生が増えたのだ。
おそらく、試験の科目を減らしたら受験生が増える、という思考回路はできていなかったと思う。
ただ、そうしてみた大学があった、ということだ。
そうしてみたら、受験生がたくさん来た。
それは、価値の転換点だったと思う。
そして、今の2科目入試につながっていく。
それ自体が悪いことではない。
ちゃんと高校までで2科目以外を教えていれば、かまわない。
今はそうではないが…。

同時に、進路指導部というのが高校にできた。
それまでも、進路担当の先生はいたのだが、大学がセンター試験の得点で層別され、新規設置大学が増え、ワケのわからない学部名が増え、なしくずしに情報量が増えて、入試が多様化すると、普通の生徒には大学を選んで適切な入試を受けて入学する、ということが難しくなった。
同時に、何でもいいから大学に行きたいという生徒が増えたのもあるのだろう。

進路指導の先生、という役職の力が強くなった。
選べない生徒に大学を薦めることができる、キーマンになったのだ。

入試科目の減少、進路指導部の台頭、生徒の多様化、高校の層別化などが重なって、履修漏れが横行するようになる。
結局理系でなければ、高校1年で数学は終わり。
覚えることが多く、入試で不利だから、世界史はやめ。
高校のカリキュラムが無茶苦茶になった。

義務教育はとにかく出席日数が足りたらOK、という状況になった。
だから補習をやる。
教育熱心だから補習をやるわけではない。
補習で出席日数を稼いだら、それで卒業できるのだ。

だから、小学校の計算ができない大学生ができた。
もう何年も前になる。分数ができない大学生、という事が言われた。
それを言ったおかげで、よくなったかというと、全くよくなっていないと思う。
前にも書いたが、算数、数学は積み上げだ。
小学校でつまづいたら、その先はわからない。
それは中学でチェックされないし、高校でも素通りになる。
大学生にどうやって数?の試験を取ったのか?と聞くと「先生がこの問題を出す、といって提示された問題を覚えたら取れた」という返事。

大学入試さえ通れば、数学は不要だ、というのが根底にある。
数学を教えている教師が、数学は不要というのは自己否定だ。
そんな仕事をやっていても、面白くないだろう。
面白くない職場のモラルは下がる。
結局先生は教えることをやめ、進路のことやクラブ活動に熱心になった。

暴論だが、今の教育はそんな面があると思う。


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