考えたこと2

2024.9.24から、今までhttp:で始まっていたリンクが、https:に変わります。申し訳ありませんが、リンクが見られないときは、httpsに変えてみてください。
CALENDAR
<< April 2025 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
+RECENT COMMENTS
+CATEGORIES
+ARCHIVES
+PROFILE
+OTHERS
いい話
今朝のゲゲゲの女房。

水木しげるはマンガを描く以前、紙芝居を描いていた。
その紙芝居屋の親方を演じているのは、上条恒彦。
昭和30年代の中ごろ。ぼくがまだ幼稚園から小学校の低学年。
当時はまだ貸本屋があったが、もう廃れかかっていた。
ぼくは見たことがないが、紙芝居屋はまだいたかもしれない。

ちょうど紙芝居屋が廃れ、まだ貸本屋が流行っていた頃が今日のゲゲゲの女房の設定。

上条恒彦というと、木枯し紋次郎のテーマを歌っていた。
バリトンのすごい声量だった。
しばらくしてテレビドラマに出はじめ、その後ミュージカルをやっていたりした。
久しぶりにテレビで見たが、もう髭が真っ白になっている。

その上条が紙芝居ではもう食えなくなって、金を借りに水木のところにやってくる。
数日滞在して、昔話に花が咲き、主人公の女房は昔紙芝居をやっていたことを知る。
お世話になった恩人なのだ。

今日は親方は質屋に紙芝居の道具を入れに行って、金をもらおうとするが、結局は質に入れられず、帰るに帰れない。

水木は出版社が倒産し、原稿料が入らず、お金がない。
それでも、女房にいくらか包んで渡してほしいという。
木の葉がお札に変わればいいのに、という女房。

もう紙芝居では食えないのだ。
お寺の境内で悄然としている親方を見つけ、一緒に家に帰り、水木が言う。

「少ないですが、持っていってください。汽車賃くらいしかはいっとらんのです…。」

親方はお金が3千円入った封筒をおしいただいて、頭を下げる。
水木も頭を下げる。
階段の下で様子をうかがう女房。

その夜、親方は九州に旅立っていった。

流行るものがあれば、滅ぶものがある。

滅ぶものへの郷愁。
古き良き時代。

そんな話だった。



| | 考えたこと | 22:07 | comments(0) | trackbacks(0) |

コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://hdsnght1957kgkt.blog.bai.ne.jp/trackback/234203
トラックバック