考えたこと2

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ネコはどうしてわがままか
ネコはどうしてわがままか 日高敏隆 新潮文庫

日高敏隆は動物行動学者。
この人の本は面白い。

ドーキンスという人の書いた、「利己的な遺伝子」という本の翻訳者の一人。

以前、「春の数えかた」というエッセイ集も読んだが、この本もそれと同じようなエッセイ集。

第1部は春、夏、秋、冬の生き物風物詩、第2部は「いきもの」もしょせんは人間じゃないの!?という構成。

題名を見て買った。
本当にネコはわがままだと思う。
人間に媚びたりしない。
我関せず…というふうに生きているように見える。

それは、どういうことなのか…というようなことがたくさん書いてある。

「金網製パイプのモグラのトンネル」というエッセイには…

「かつてイギリスに、モグラについてこんな疑問をもった人がいた。「モグラは地面の下で一生懸命、土を掘って歩き、どこかでミミズに出会ったらそれを食べる。そんなことでちゃんと労力に見合っているのだろうか?」というのだ。
いかにも資本主義の生みの親であるイギリス人らしい発想だった。それで、その人はモグラの生活をくわしく調べてみた。」

こんな書き出しである。

モグラのことも面白いが、作者が面白がっているのは、「イギリス人」であるように見える。
動物行動学者は、人間の行動も面白がって見ている。

「スズメのお宿の謎」には…

「スズメはいつも人間の近くにいるような気がするが、じつは人間をたいへん警戒している。人がたえず出入りする家の入り口などには、絶対に巣をつくらない。ツバメはスズメのこの性質の裏をかいて、できるだけ人の出入りの多い家の軒下に巣をかけているのである。鳥たちの世界も、なかなか複雑なのだ。」

なるほど。そういえばそうかもしれない。

「ネコはどうしてわがままか」には…

「ライオン、トラ、そして、ネコなど、世界にネコ族のけものはたくさんいるが、共通しているのは単独性の動物だということである。ネコ族で群れをつくるのはライオンぐらいしかいない。ネコ、つまりイエネコも、本来、単独性の動物である。このことがネコのネコらしさ、ネコとイヌのちがいを生む一番の根源になっている。」

要は、ネコは一匹で単独に暮らしたがっている…らしい。

人間を親とすると、イエネコは子であり、子が泣くと親は飛んでいくが、親が泣いても、子はこない。だから、飼い主が呼んでも、ネコは来ない…ということだ。

動物から昆虫まで、作者の目はあらゆる生き物に注がれる。

楽しい本だった。


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