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2024.05.21 Tuesday
マスコミの劣化3
日経の記事で「早く長い就活、かすむ学業」という記事が出た。
これは就活の早期化、長期化に伴って、勉強ができなくなっている、という記事だ。 その中に、25年卒の内定率のデーターが載っている。 その記事には「リクルート就職みらい研究所の調査によると、2025年に卒業する大学生の就職内定率(就職希望者に占める内定取得者の比率)は今年3月中旬の時点で49.8%あった。5月1日時点では72.4%に上昇している。」と書かれている。 こんな数字のはずがない、ということは現場の人はよくわかっている。 5月1日時点で7割になっている、というのはウソというよりも大ボラと言っていいレベル。 この元のリクルート就職みらい研究所のデータを見ると、調査対象の人数が大学生、大学院生合わせて3941人。 リクナビ2025で募集した学生だ。 そのうち、実際の集計対象が大学生975人、大学院生377人の1352人。 だいたい、卒業生総数は45万人もいるのに、集計対象が1352人というお粗末。 それも、就職ナビサイトで募集し、その中で今回の調査に応じた3割の人数。 誰が考えても、内定した人が答えたのだろう、と思う。 編集委員の水野という人が書いている記事だが、この人は全く就活などわかっていないのだろう。 調査の母集団がどれだけで、どんなバイアスがかかっているか、などわかっていそうなものだ。 もともと就活に熱心な人たちが登録しているのだ。 それは内定率も高いだろう。 7割の人がもう内定をもらっているという誤情報で、どれだけの就活生がプレッシャーに悩まされるか、この人は全くわかっていない。 もちろん、どういう調査だったか、という確認もできていない。 本当に報道災害だ。 45万人の母集団を、ナビサイトに登録している、偏った1300人で推定できると思っているのか。 毎年の推移から傾向を見るのならそれでもOKだと思うが…。 こないだ「役割分担」という記事を書いたが、これは毎日新聞の記事。 こちらは意図的にウソをついているような記事だ。 本当に日本のマスコミは劣化している。 記者のレベルも低い。 こんな大ボラが新聞記事になる。 どうかしている。 |
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