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2021.08.02 Monday
DX?
一昔前なら、DXというとデラックス(高級)のことだった。
まだこの言葉が新鮮味を持っていた頃は、クルマのグレードに使われたりした。 Super DXなどというと、非常に高級という意味だったはず。 だんだんとデラックスという言葉も手垢にまみれ、高級感がなくなって、そういうものには使われなくなった。 今では死語に近いかもしれない。 最近はDXというとデジタルトランスフォーメーションのことになった。 Wikipediaによると、DXの定義は、 デジタルトランスフォーメーション(英: Digital transformation; DT or DX)とは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念 と定義されている。 要はコンピューターやAIを使って、便利にしようということだ。 去年の12月に経産省が発表した「DXレポート2」によると、調査に答えた企業(500社)の95%が「DXに全く取り組めていない」か、「散発的な実施にとどまっている」という回答とのこと。 驚くのは、「自社のデジタル化に関する取組状況を「トップランナー」と評価する企業が約4割」もいる、ということだ。 全く取り組めていないとか、散発的にやっている、という状況でも「自社はトップランナー」という自己評価になるほど、日本の企業は遅れているということなのだろうか。 さすがに、経産省も「変革への危機感の低さ」を問題にしている。 そういう役所は最もDXが遅れているとは思うのだが…。 報告書ではDX未着手企業、DX途上企業を経て、「デジタル企業」という最終目標に進むという計画。 そのために、いろいろな手を打たないといけない、という。 確かに人材育成とか色々やることは書いてあるのだが、一つ大きく抜けているのが雇用の流動化の問題。 経産省は畑違いということで、入れられなかったのだろう。 このDXには雇用の流動化が不可欠だと思う。 なぜ、役所のDXが遅れているのかといえば、民間よりも雇用を重んじたからだと思う。 DXをすれば、要らない仕事が増える。 それは必然だ。 年金事務所で計算する人たちの雇用を守ったから、年金の名寄せもできなかったし、未だに「いろは順」で紙をファイリングしたりしているのだろう。 マイナンバーの活用も、結局はそれをやって大幅に合理化した時に、仕事がなくなる人たちを雇う場所がないからだ。 役所がやっているような非効率な仕事ほど、やっている人たちの潰しがきかない。 そんな仕事、他で雇ってくれるようなところなどない。 この問題はそこを解決しないと進まない。 公務員といえども、解雇される時代。 そのときには当然民間もそうなる。 それによって、雇用が流動化して、再雇用されるために「学ぶ」ことができて、新たな仕事につけるようになることが、結果的にDXを進めるのだと思う。 ぼくは民間企業と学校法人を見てきて、本当にそう思った。 かたや、経理システムを入れて、計算する人たちを異動させ、いなくなった。 かたや、経理システムを入れても、LANが未整備で、計算する人たちを残し、新たにそのシステムをメンテする人を雇った。 その差は明らかだ。 日本がDX化をするためには、まず仕事を辞めやすく、また雇いやすくすることだろう。 |
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