考えたこと2

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卒園式というイベント
評議員をやっている関係で、幼稚園の卒園式に行ってきた。
去年、運動会にも行って、予想はしていたのだが、やっぱりなあという感じ。

以前「呼びかけ」でも書いたが、卒業式という「式」がどんどんイベント化している。
子どものためというよりは、大人のためのイベントだ。

ぼくは幼稚園の卒園式の記憶はない。
卒業式で記憶にあるのは小中高だ。大学の卒業式は終わった後で証書を取りに行った。
ぼくらの時代の卒業式は、君が代、蛍の光、仰げば尊し、校歌を歌ったこと、答辞、送辞、一人ずつ卒業証書をもらう練習をしたことくらいを覚えている。
答辞や送辞は学年の代表がやることで、自分には関係ないことだったから、要は歌を歌って、証書をもらう、という式だった。
ある種、厳粛な雰囲気もあった。
回りの先生がそういう雰囲気だったと思う。

時代はだいぶ変わったと思う。
一人ずつ卒園証書をもらうのは同じだが、もらった後、その卒園証書を見せるように持ち、親の席の方に歩いていって、段の上に登り、一人ずつ「○○ができるようになってうれしかった」とか一言話して、席に戻る。

その儀式が終わった後、今度は一年間の行事を一つずつ先生が言って、おなじみの割りぜりふ。
卒園児を4組に分けて、みんなで言う。
よくたくさんのセリフを覚えられたものだと感心する。

その後、年少組が入ってきて、また歌を歌う。
今度はお母さんも入って、掛け合い。
練習の時にすでに泣いているお母さんがいたとのこと。
最後に誰が作ったのか「さよならぼくたちのようちえん」という歌。
泣かせる歌詞が並ぶ。

これでようやく終わりかと思ったが、最後に一人ずつ卒園児が退場する。
一旦前に10人ずつ並んで、そこから一人ずつ順番に、卒園証書の時と同じく段の上に立って写真を撮ってもらってから降りる。
保護者席はスマホやビデオの人が多いから、ぼくはずっと拍手だった。
全体に無音の部分は少なく、感動を盛り上げるBGMが流れていた。

人数が少ないからこそできる、という面はあるが、1時間半ほどかけてやらされる園児はちょっと気の毒だ。

小学校の運動会の行き過ぎた組み体操も根っこは同じ。

どうしても自分の経験と比べてしまうが、式というのはイベントではない。
卒業式は厳粛なもの、という伝統があったと思うのだが、それはどこに行ったのだろう。
ぼくは、何となく厳粛な気持ちで、別れを迎えるという感じだった。
仰げば尊しの歌詞がなかなかいい、と思ったのもあの時だ。

今の卒業式は「式」というよりショーだと思う。
卒業生たちはショーを演じさせられているようなものだ。
どうせ忘れてしまうから、構わないというようなものだが、あれだけのセリフを覚え、歌を練習したのだから、それは覚えているかもしれない。

ショーが悪いとは言わない。
それを望んでいる人もいるのだろう。

でも、やっぱり式は式らしくした方がいいとぼくは思う。




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