考えたこと2

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認知症と刑罰
こないだの新聞に高齢受刑者の記事があった。
なんでも60歳以上の受刑者の1割が認知症だという。

検査をすれば認知症、という軽いものならいいが、出所しても自立が難しい認知症の人もいるらしい。
それはそうだろう。
受刑者だからといって、認知症にならないとは限らない。

しかし、人生が長くなった昨今、認知症になって全てを忘れてしまったら、刑罰の意味はどうなるんだろうか。
家族も忘れ、過去の記憶も忘れたら、罪を犯したことも忘れてしまう。
よくすべてを忘れて別人のようになった、などということを聞くが、そういう場合のことだ。

Wikipediaによると、刑罰の意味としては、絶対主義と相対主義があるとのこと。
絶対主義というのは、正義を回復するために犯罪を犯したものは罰しないといけない、という考え方。
相対主義というのは、一般の人や犯罪者本人に、将来犯罪を行わせないために罰するという考え方だ。

絶対主義の場合は、受刑者がどうあろうと、刑罰は与えないといけないことになる。
ややこしいのは相対主義の考え方。
将来犯罪を行わせないためということの前提は、その人が犯罪を犯したという記憶があるからで、それが認知症で失われたらどうなるのか。

記憶はその人そのものだから、それを失ったら刑罰の意味がなくなるのではないか。
認知症という病気は難しい。
人間の一番大事な「記憶」という部分を扱うものだ。

自分がなぜ刑務所にいるのか、ということすらわからなくなった受刑者をどうするのか。

ややこしい問題だと思う。


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