考えたこと2

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今年の内定率
大手の就職選考解禁が過ぎて2ヶ月。
毎年この季節になると、大手の就職サイトの会社などが今年の内定率という数字を出す。
今日もリクルートキャリアが大学生の内定率が7割という数字を出した、というニュースがあった。
この数字は去年と比較して高いとか低いとかいう意味はあるが、全体の内定率を表すものではない。
50万人程度いる就職希望者のうち、たった3000人ほどの結果だ。

リクルートキャリアのサイトをみると、以下の説明がある。

「集計方法:大学生については、性別、専攻、所属大学の設置主体をもとに、実際の母集団の構成比に近づけるよう、 文部科学省「学校基本調査」の数値を参照し、ウェイトバック集計を行っている

調査対象:2017年卒業予定の大学生および大学院生に対して、『リクナビ2017』(※)にて2016年1月20日 〜3月27日、4月12日〜4月25日、5月20日〜5月30日に調査モニターを募集し、モニターに登録 した学生9,399人(内訳:大学生7,775人/大学院生1,624人) *モニターの抽出条件は下記参照
調査期間:2016年7月1日〜7月8日 集計対象:大学生 2,030人/大学院生 762人」

要はいろんな理屈はつけているものの、50万人ほどいる大学生、大学院生のうち9400人にアンケートを送り、そのうち回答を得たのが2800人ほど。
答えた学生はリクナビで活動した積極層であることが予想される。
その積極層で、7割しか内定が出てない、ということだ。
そのうち、何割かは複数内定者だから、実際には7割の求人が満たされたというワケではない。
そういう説明をニュースではやらない。

毎年思うが、なぜこういう報道をするのだろうか。
内定をまだ取っていない学生が、こういうニュースを聞いて、まだまだ求人があるにも関わらず早々に諦めでしまうということがわからないのだろうか。
保護者からのプレッシャーも増えるし、自信をなくす。

求職者も報道に惑わされ、残っている学生が「残り3割の内定取得してない学生」かと思ってしまう。

これはナビの会社が次年度の商売をするために、もう今年は殆ど終わったという印象を持たせるためにやっているのだと思わざるを得ない。
また、報道機関も自分たちが報道する内容を吟味すべきだ。

その程度の統計リテラシーもないということになると、もう報道機関の名に値しないと思う。

学生が気の毒だ。

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