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2014.12.27 Saturday
シェールオイル
原油安が続いている。
ガソリンもビックリするほど安くなった。 石油を必要とする国の数は増えている。 需要と供給の法則からいったら、上がるはずなのに下がったのには理由がある。 数年前から、アメリカを中心にシェールオイルという資源が出てきた。 ただ、これは地層の中の石油のカスみたいなものを集めるというイメージで、地層の中に圧をかけて取り出すという仕組み。 必然的に採掘コストは高い。 中東やロシアでは石油は掘れば出てくるものだから、コストは安い。 だから、結局は原油の値段は下がらないと思っていたのだが…。 中東の最大の産油国、サウジアラビアが今回は値下げに動いたらしい。 OPECという石油輸出国機構の会議で、サウジアラビアはシェールオイルを抑えこむために値下げを決めた。 安い原油が出回れば、シェールオイルは売れないからだ。 シェールオイルのシェアが上がれば、採掘法の開発も進み、コストも下がると思ったのかもしれない。 開発を少しでも遅らせよう、ということだ。 それだけではない。 石油が高くなるということは、石油に変わる代替エネルギーの開発も促進する。 それも懸念材料になる。 サウジアラビアは、結局、石油の時代を一日でも長く持たせようとしている。 この戦略は、石油の採掘コストが上がって(残り少なくなると、なかなか出なくなるから、コストは上がるらしい)、シェールオイル並みになるまでは持つ。 あと何年あるのか、わからないが…。 石油というのは、限りある資源なのだ。 もうピークは過ぎているらしい。 その余波で、ロシアは苦しくなった。 ルーブルはドルに対して30ルーブルだったのが、60ルーブル近くまで下がった。 ウクライナの一件で経済制裁は続いている。 そこに泣き面にハチの原油安。 ロシアはエネルギーで経済を立て直したのだが、ここに来て苦しくなった。 今、ロシアは売り込みに走っているらしいが…。 一連のシェールオイルから、サウジを中心とした原油安。 何となく、CIAの陰謀ではないかと思ってしまう。 でも、日本経済にとってはラッキーだ。 これで一息つけるかもしれない。 しかし、長い目で見た時には地球にとって、いいことかどうか…。 これを猶予と思って、代替エネルギーの開発をしないといけないと思う。 |
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