2014.12.05 Friday
Chromebook
アメリカではクロームブックが売れているという。
クロームブックは、ぶっちゃけて言うと、GoogleのWebブラウザであるクローム(マイクロソフトのインターネット・エクスプローラーのGoogle版)だけしか使えないノートPCである。
基本的にはWebブラウザで使えるアプリケーションを使う。
昔はワープロや表計算、写真のレタッチ、パワポのようなプレゼンソフト、イラスト用のソフトなどは專門の会社が作って、パソコン用のソフトとして売っていた。
それを買って、パソコンにインストールして使う、という使い方だった。
ところが、パソコンの性能が上がると同時に、ネットワークの速度も上がり、Webの技術も発達し、いろんなことがWeb上でできるようになってきた。
実際、この文章はGoogle Documentで書いている。
普通に文章を書くだけなら、それで十分。
もちろん、Googleが勝手にバージョンアップしていっており、リンクを入れるとか、コメントを挿入するとか、行間を変えるとか、箇条書きとか、表を挿入するとか、図や写真を挿入するとか、そんなことも簡単にできる。
表計算のソフトも同様だし、プレゼンソフトも同じような感じだ。
要は、素人が使える機能はだいたいWeb上のアプリでも揃っている。
そして、インターネットが使えれば、どのパソコンでも、どこからでも使うことができる。
ファイルはWeb上に置くので、保存の心配がない。
ウィルスなどの心配もしなくていい。
カレンダーなどのスケジュールソフトは、みんなで共有できるし、スマホでも見ることができるので、Web上のアプリの方がいいだろう。
写真の修正もPicasaというサイトでできるし、そこに写真を置いておくこともできる。
もちろん、Google以外のFacebookとかTwitterとかのソーシャル・ネットワーキングサービスも使える。
メールはWeb上のメールで十分だし、その方がどこからでも使えるので便利だ。
よく考えたら、昔のパソコンは自分用のソフトを使って、自分で保存していたが、今になってみると自分用のものはだいぶ減った。
ぼくの場合、音楽のソフトくらいだ。
もちろん、過去の遺産を見たり、使うために立ち上げるソフトはある。
でも、それもだんだん減ってくる。
いっそのこと、全てをWeb上に置いておくというのもアリだなあ、と思っていた時にクロームブックが出てきた。
とは言っても、Web上に置いておくのは危ないという気もする。
そういうファイルはやっぱり、自分のパソコンに置いておきたい。
でも、普段使うのはWebでいいだろう。
実際、パソコンを立ち上げても、使うのはWebばかりになっているのが事実。
だから、自分のデスクトップは持っておいて、サブでWeb専用のノートパソコンを使うというのは選択肢になる。
保存も全てWeb上になるので、大きなハードディスクも要らない。
必要なら、デスクトップでWebから自分のパソコンに作ったファイルを持ってくれば、従来の使い方もできる。
特に会社など、Web上のアプリケーションを社員が使うというようなところは、Web専用のノートパソコンの方がいい。
一人ひとりのパソコンの、ウィルス等のセキュリティの心配をしなくていいからだ。
ファイルがなくなるということもない。
立ち上がりも7秒ほどでOK。
そして、何より安い。
2〜3万円で買える。
そんなわけで、実際アメリカでは2013年にクロームブックがブレイクして、今やノートパソコンのうちの20%のシェアを取った。
そして、教育機関でもiPadを抜いてトップに立った。
価格がiPadの半分というのも大きいが、キーボードが付いているというのも大きいという。
ぼくも、タブレットはインプットにはいいが、学習のアウトプットには向いていないと思う。
だから、キーボードは必要なのだろう。
こうなってくると、Googleの影響は大きい。
たしかに、Googleはスゴイ会社だと思う。
力を持ちすぎたが故に、欧州ではGoogleを分割すべきという声も出ている。
でも、ぼくは長いものには巻かれることにした。
今のところ、Googleは少なくともGoogle以外よりはいいと思う。
Googleがない世界よりはGoogleがある世界を選ぶ。
十数年前、一緒に働いていた人から、「こんなんあるよ」と言われて検索サイトを見て以来、感心してしまった。
どうしたら、信頼のおけるサイトが検索されるか、ということを自動でやった会社。
基本的には自由でオープンなインターネットを支持している。
その中で、いいものを早く見つけるという仕組みを作った。
少なくとも、人の善意を信じている会社だ。
Googleがオープンである限り、ぼくはいいと思っている。
この秋から、日本でも個人向けに販売している。
日本ではどうだろうか…。
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