考えたこと2

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働けない若者
ネットに『なぜ、「働けない若者」が増えたのか『無業社会 働くことができない若者たちの未来』を読む』という記事があった。

詳細は読んでもらえばわかるのだが、とにかく「若年無業者の数は200万人を超え、15歳から39歳までの若者のうち16人に1人となっている」ということである。
それでなくても、生産労働人口が減っていくのに、若い人で働かない、働けない人が200万人も存在するのが日本の現状ということだ。

日本のセーフティネットは高齢者の側にシフトしていて、若い人は結果的に放ったらかしになっている。
なぜかといえば、それまで若い人たちは、ほっておいても何とかなった時代だったからだ。
それが変わったのが90年代後半。

「若年世代の失業率は、全世代の失業率より高い水準にあり、90年代後半の就職氷河期以降、正規雇用の就労は悪化の一途だ。しかも日本社会は人材育成の機会を学校と企業が独占してきたので、一度そのルートを外れると再び労働市場に戻ることはとても難しいのだという。」

これは一因だが、もっと根が深い問題があると思う。
労働市場が変わったのだ。
90年代初頭にバブルが崩壊して、90年代後半に就職氷河期が来て、それと同時に機械化・IT化が進み、「だれでも出来る仕事」は機械がするようになったということだ。
それに合わせて、非正規社員が増え、逆に正規社員が減っている。
そういう、「仕事の高度化」がこの時期に起こってしまったということではないか。

ぼくが会社に入った1979年、工場には人がたくさんいた。
工場の中をコマネズミのように、人が動き回っていた。
それが2000年を過ぎると、単純労働はどんどん機械化され、しまいにはロボットが働くようになった。
ロボットといっても、人間型ではない。自律型のクルマ型ロボットだ。
引かれたラインの上を動いて、モノを運ぶ。

そして、経理や庶務やあらゆるところで伝票を打ち、計算していた社員がいなくなった。
伝票はコンピューターで処理され、集計までされるからだ。
その時期が重なったのだと思う。

そして、学校がその変化に対応していない。
特に義務教育だ。
小学校、中学校でちゃんと教えないと、それ以降ではどうにもならないことがたくさんある。
基礎ができていないと、その上は教えられない。
ちょうど積み木でいえば、土台のところが歯抜けになっていたり、面が揃っていなかったりするのが今の状態を表している。
いくら高校以降に積もうとしても、崩れてしまって積めない。

「生きる力」というものがあるとすれば、それは何かを一生懸命に学ぶところからしか生まれてこないのではないか。
今の教育は、それを忘れて「生きる力」そのものを教えようとしているようにみえる。
ぼくは、そんなものは教えられないと思う。
「生きる力」は、結果的につくものであって、それを目的に教えることなど出来ない。
生徒を集めて、「さあ皆さん、生きる力とはなんでしょうか?」とみんなの意見を聞いても、出てくるわけがない。
だからこそ、昔の人たちは学校を作り、勉強を教えたのだと思う。
伝統的な教育の中にしか、そんなものを学ぶ方法はない。
もしもそれを直接教えることができるのなら、人類の歴史の中でとっくにやっているだろう。
世界で、「生きる力」を教えようとしているのは、日本の学校くらいではないか。

だから、小中学校で基礎を教える。
そこがいい加減だから、みんな崩れてしまう。

若者の就業の問題を解決するためには、遠回りだが、義務教育を何とかしないといけないと思う。

一朝一夕ではムリだろう。

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