2014.08.12 Tuesday
限界集落
知り合いに徳島県の出身の人がいて、話をしていた。
自分は違うのだが、ご主人が徳島の出身でこのお盆も徳島に里帰りするという。
何でも、実家のあるところはもうほとんどの家が出て行っており、帰ってくる様子がない。
一応、徳島市内にいる家族が、親の墓の面倒は見るとのこと。
でも、ご主人もやっぱり盆や法事は徳島に帰りたいらしい。
帰っても、自分の実家は台所の底が抜けて使えず、もう住める状態ではないとのことだ。
そこは、もとは郡だったのだが、今は統合して市になったらしい。
先日の大雨で、がけ崩れが起きて、道が通れなくなっているから、と電話がかかってきたとのこと。
したがって、里帰りのためには、迂回して倍ほどの時間がかかる、とボヤいていた。
統合する前なら、近所の土建屋さんに頼んで、比較的早く公共工事は出来たらしいが、今は統合して市になったので、入札制になったらしい。
ただ、どういうわけか誰も入札しないとのこと。
安くてペイしないような価格が設定されているのかもしれない。
そこが通れるようになって、助かるのは何人くらいいるのか聞いてみると、その集落10戸程度とのこと。
経済的にみて、この工事は苦しいだろう。
高度成長の時代は豊かだったし、人口も多かったので、日本中にトンネルや道が整備され、電気やガスもひくことができた。
でも、少子高齢化になり、少産多死になり、特に地方は人口が減っていく。
その市の人口の年齢構成を見てみると、明らかに高齢者が多く、生産年齢人口が少ない。
これからもっと減る予定なのだ。
こういうのを限界集落というのか、と思った。
Wikipediaによると、「過疎化などで人口の50%以上が65歳以上の高齢者になって冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になっている集落」と書いてある。
まさにそういう集落が増えてきている。
21世紀は都市の時代というが、それはそうしないとやっていけない、という意味だ。
ありていに言えば、道路や電気、ガスなどのインフラの整備ができなくなる、という意味での限界なのだろう。
それによって、住み慣れた故郷がなくなる人も出てくるだろう。
それを何とかするためには、人が減るのを食い止めなければならない。
そのためには、もう海外からの移民の方々を受け入れるくらいしか手がないと思う。
難しい問題だ。
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